静岡県富士市吉原と三島市を散歩する


 青春18きっぷの最後の一回分を使って、東海道線を下る。茅ヶ崎駅8:30ちょっと前の伊東行電車は、特急踊り子号の車両を使った変則12両編成だった。どこで降りるか決めていない。熱海駅で島田行に乗り換えた。吉原駅は小さな私鉄、岳南鉄道の乗り換え駅。五年か六年前に、リアル「鉄」の友人二名に加わって、岳南鉄道撮り鉄しに行く!なんて盛り上がったのだが、計画した日の二週間か一週間か前に、なんだか急に面倒になってドタキャンしてしまった。あれは申し訳ないことをしてしまったなあ。それ以来、二名のうちの一名の方はとても怒ってしまったのだろう、疎遠になってしまった。
 そんな後悔のある駅で降りてみる。岳南鉄道の乗り換え跨線橋を渡って、旧東急の車両を改造したと思われる(違うかも)一両だけの車両に二駅だけ乗る。あわてて調べた結果、その吉原本町とバスターミナルのある吉原中央駅のあいだが商店街だと判ったのでそのあたりを歩くことにした。いい商店街でした。途中、中山豆店という店は入口のショウウインドウの中に2Lサイズくらいにプリントされた野鳥の写真がたくさん飾ってあって、それぞれの野鳥の名前が書き添えてある。店内は昭和の香りが、商品の置かれた台やらガラスケースやらに漂っている。店内のそんな様子に惹かれて入ってみる。甘納豆(ソラマメともう一種類は何を買ったのか覚えてないけど緑っぽいやつ)を買うことにして、それを計ってもらっているときに、鳥の写真のことを話してみると、ご主人の趣味だとのこと。そして、横にアサヒカメラのメダルが飾ってありますね、とも言ったら、それを聞いていたらしいご主人が店の奥から出ていらっしゃった。1979年のアサヒカメラ月例コンテスト組写真部門で年度賞の二位だか三位だかを獲得したそうです。しばらくお話させていただく。フラッシュを使わずに夜の飲み屋街などをスナップしていたそうです。なんかそう言われると、ちょうどそのころには毎月アサヒカメラを買っていたので、そういう写真を見たことがあった気がしてくる。
 昼食は吉原本町駅近くの路地をひょいと曲がったところにあった定食屋。保志奈食堂。牡蠣フライ定食を頼んだら、大粒牡蠣フライ六個にせんきゃべつ、ポテトサラダ、小皿に煮た茄子。さらにフルーツとしてメロンとパイナップルとグレープフルーツも付く。もちろん味噌汁があって、ごはんは超大盛(ごめんなさい、半分残してしまった)。それで840円と安価で驚く。すでに今日からお仕事がはじまったらしい近くの製紙工場の方や、ご近所の常連さんが次々とやってくる。
 それからJR吉原駅まで歩いて戻る。工場や荒地やゴルフの打ちっぱなし場やバイパス通りや倉庫のある風景。快晴でそういうものもいちいち美しい。上の廃車のある荒地の小道を歩いていたら黒く小さな鳥がブッシュから飛び出てきた。あれはなんという鳥だろうか?中山豆店からはもう何キロも歩いてきてしまったから、もう聞けない。

 そのあと三島まで移動して、ここ数年恒例の三島神社へ行ってみる。初詣客をスナップした。


 こういう厚紙の切符がまだ使われています。なんとも懐かしい。


 冬の日差しがきれいな街角風景を演出・・・ってことでしょうか。


 中山豆店の店内。