病み上がりの短い散歩


 午前、風邪の名残りの症状なのか、腰痛と、太腿及びふくらはぎの筋肉が張っていていて痛いのとで、辛い。しかし、風邪薬、市販のパブロンエースPROのおかげもあるのかしら、昼過ぎにはその症状も引いた。もし市販薬の効果だとすると、また薬の効き目がなくなったころに症状が復活するのかもしれない。と思いつつも、ずいぶん楽になったので、昨日は風邪で入れなかった風呂にゆっくり浸かる。そののち、恐る恐るではあるが、カメラをぶら下げて近所の散歩に出る。鶴嶺神社は初詣の長い列が出来ていた。二十分か三十分か並んでお参りする。百円のみくじを引いてみたら大吉だった。映画「ざわざわ下北沢」で「おみくじは大吉も凶もみんな同じ。頑張れば報われるって書いてある」といった内容の台詞があった気がする。が、それでもまぁ、大吉の方がいい気分になれる。
 そのあと、鶴嶺中学校の裏の畑の方に行ってみる。いつものように犬を連れた夕方の散歩の人がぽつぽついるが、人の数は少ない。それほどの寒さではないな。裏フリースの暖パン、上はヒートテック下着にネルシャツにセーターにダウンジャンパー。これだけ着ていれば十分なのか。すっかり葉を落とした木々にスズメやヒヨドリが止まっては飛んでいく。落葉樹は冬になると日の光を通して、少しでもひなたを作ってくれるから、ありがたい。ということを今日ではなくて、一昨日かその前に思ったことを思い出しながら歩く。
 富士も鷹も茄子も夢には出てこなかった。今朝は珍しく起きたときに夢を覚えていた。私が一人でいるこの部屋ではなくて、向こうの部屋でなにやら大人数でどんちゃん騒ぎをしている。誰かが来て、あのどんちゃん騒ぎのその部屋でおじさんは(明日の会社に備えて)眠っている、とその誰かに聞いて、おじさんは大変だなぁと思う夢。おじさんは母の弟のおじさんだった。
 最近、自分のいるこの部屋ではなく、同じ屋根のしただけど別の部屋で大人数がなにかやっている、というシチュエーションの夢を、たまたま覚えていただけかしら、これをいれて二回見た。
 鶴嶺神社では、梛(なぎ)の葉守り、というのを売っていた。以前、なぎの葉考、という小説を読んだ。野口冨士男の短編で、たぶんだけど、東京都写真美術館で、日本の写真の歴史をおさらいするような展示があったときに聞いた詩人の・・・いま名前を度忘れしましたが、二重露光の写真集なぞ出している方・・・のトークショーを聞いたときに、この野口冨士男の小説を辿るようにして小説の舞台の・・・これまたどこだか忘れてしまった紀伊半島のどこかの観光地へ行って、そこで動画だか静止画だったか写真を撮った話をしていた・・・ような気がする。まったくもってうろおぼえですが。
 なんてことをふと思い出したので、あとで本棚からこの本を探し出して読んでみようかしら。
 (いま調べたら、トークショーを聞いた詩人は吉増剛造さんだった)