9月の海


 サザンのチャコ海の歌詞なんかにも登場する「烏帽子岩えぼし岩)」というのは、上の写真の水平線のところにちょこっと突き出て写っている岩礁です。これは広角レンズで撮っているので実際より小さく見えてしまうかも。

 今日は亡父の祥月命日。2001年のことで、父の亡くなった翌日、通夜や告別式の準備で忙しくしていたときにテロが起きたのだった。午前、墓参。午後、来週の須田塾のためにネットプリント注文作業。ずっとプリントを頼むのをさぼっていたので8月のあたまからネットプリントする写真を選んでいくが、8/4から8/7の四日分だけで、アップロード作業が3時間かかって約180枚を注文し、それでもういやになってしまう。
 4時過ぎからカメラを首からぶらさげて自転車に乗って海まで行ってみる。海水浴客のいなくなった海水浴場には夕方すずしくなった時間になって犬を連れた散歩の人や、恋人たちや、子供のいる家族連れが遊んでいた。9月のはじめ、夏のおわり、その夕暮れ時を、すずしくなった海風を受けながら、家に帰る時間を引き延ばすようにうじうじと砂浜で過ごす。近くの結婚式場から人々が楽しんでいる声がかたまりとなって聞こえてくる。誰かがオーバー・ザ・レインボウを歌っている。だからその曲を口笛で吹きながら、後ろ髪をひかれるようにして家に帰る。途中から自転車のダイナモを入れたら、車輪のリムのゆがみをひろって変な音を立てる。国道の信号、青を待っているあいだ、街路樹のあたりからコオロギやカネタタキの声。すると先ほどまで後ろ髪を引かれていたのが嘘みたいに、今度は家に早く帰りたくなる。夜には茄子の味噌炒めを食べました。

 ところでひと夏のあいだだけで終わる恋、というのは昭和歌謡ではしょっちゅう歌われていたけど、最近の若いみなさんもそういう恋があるのだろうか?いやなに・・・ネットプリント注文中に、なぜだか太田裕美南沙織加山雄三のCDを聴いていたのだが、それでふとそんなことを思った。太田裕美「夕焼け」とか。