エル


 7月22日日曜日、東海道線、横須賀総武線外房線と乗り継いで、千葉の土気へ行ってきました。写真同人ニセアカシア仲間の松本さんの写真展「エル」を見るためです。見慣れない車窓風景を眺めるのは楽しいものです。新小岩駅の少し手前とか市川駅のやっぱり少し手前で川を渡りました。河川敷で野球や釣りをしている人たちが見えました。よく通る多摩川でもそういう景色が見えますが、電車からすぐ真下に見える、それだけで新しい感じがしました。昨日も今日もときどき雨が落ちてくる曇天でした。しかも涼しい。つい三日か四日まえまでは熱中症の人がたくさん出てニュースにもなっていたのに、それより10℃くらい低い温度。私は車内冷房がちょっと効きすぎだとすぐに参ってしまう質です。今日はTシャツのうえに七分袖のBDシャツを着て、さらに念のために持って行った薄手のカーディガンを着ることで、なんとか長い車中を我慢することができました。写真展「エル」は松本さんの飼っている黒猫エルを撮ったものです。よくある人間的視点でカワイイ猫を擬人化してとらえるようなものとは大違いで、猫の世界に肉薄しています。面白い写真展に出来上がっています。
 そのエルのシリーズをzineに仕立てたものを、松本さんは宝塚メディア図書館主催のzine/book gallery2012に出展していたのですが、今日の公開審査会でその「エル」MARUZENジュンク堂 梅田店賞を受賞したというメール連絡が帰りの電車の中で審査会に出席していたニセアカシアのIさんHさんから入りました。素晴らしい。

 さて写真は7/17に金地院で撮ったものです。池に映った緑は若干色バランスを変えたりしています。

 今朝、日曜美術館南桂子の特集で、ゲストに出ていた山本容子が「単純な(南の)絵を見ながら、(見ている)みんながそれぞれ、複雑なことを考えている」というような言い方で、(単純でない)単純の価値を話しているのが面白かった。

 上のアジサイの写真はありふれた、花の写真のお作法からすると、たぶんいろいろと行き届いていない写真ですが、なんだか気になって選びました。
 金地院の小堀遠州の庭園は、二十代前半に行ったときにはなんだかだだっ広いだけで唖然としただけだったと思います。それ以来ずっと行っていなくて、でも去年だったか一昨年だったかに数十年振りに行ってみたら、こんどはすごくいいと思ったのでした。どういうふうにいいと思ったかはうまく言えません。