真夏の夜のザジとかラーメンとか


 19日日曜日。遅い昼食を食べに茅ヶ崎ビーンズ香房+cafeTesseでサンドイッチを食べる。明日からこの店の夏季連休になるからなのだろう、焙煎を頼みに来るお客さんが大勢いらっしゃるようで、カウンターに焙煎が終わったばかりの珈琲豆の袋詰めがずらりと並んでいる。この店は注文してから焙煎をするから、店の回りにコーヒーの香りが漂っている。
 私は豆は買わない。Mと二人で、エビとアボカドのサンドイッチと、チキンとアボカドのサンドイッチを注文する。それぞれを半分づつ交換して食べる。ホットコーヒー。西日が射しているので店主がシェードを下ろす。

 帰宅後、コンパクトデジカメを持って家の周りを一回り散策。上の写真とかです。

 午後7時から、藤沢のカフェパンセで映画「地下鉄のザジ」の映写会があるというので行ってみる。余白やさんとN君と会う。映画のあと二人とダブルドアーズっていったでしょうか?そういう名前の店に行き、夏野菜とパクチーたっぷりパスタを食べる。

 店のガラスケースの中に下の写真の黄色いフイルムケースが飾ってあった。私も同じコダックの黄色いケースを持っている。会社に入って最初の数年、寮にいたころに、この黄色く塗られたフイルムケースに百円玉を溜め込んでは、週末に長距離電話をかけに駅前の公衆電話ボックスに通っていた。だけど話したい相手はしょっちゅう長電話中で、一度電話して話し中で、しばらくしてまたかけなおすまでのあいだ、駅の回りをうろうろと散歩というか「周回歩行」をして時間をすごした。そう!そういう時間にいろんなことを考えていたわけで、それが大事な時間だったのではないか、とかじじいは思うわけです。そういう時間、待っている時間や待たされている時間、しかも携帯電話でやりとりなど速効的にはできずに、不安がぬぐえない待っている時間や待たされている時間に考えることで例えば恋愛の「機微」が生まれた、とかなんとか。いや、でも今は携帯でメールして返事が来ない時間、というのがあるから、本当はたいして変わらないね。くそじじいが偉そうに言ってんじゃねえよ。で、この黄色く塗られたコダックのフイルムケースってなんだったんでしたか?黄色いのは誰かが後から塗ったわけでなくて、黄色いフイルムケースが使われていたフイルムの種類があったのだろうか?

 一昨日、17日の夜には平塚の実家の近くに、最近テレビ等でも紹介されている人気ラーメン店ラオシャン(老郷)にタンメンを食べに行ってみた。9時過ぎに。中学や高校生のときから何度か食べているが、でもしょっちゅう食べていたわけではない。記憶より酸味が薄かった。もっとすっぱいのが特徴だった気がするが、ずっと食べないでいるうちに、酸っぱいスープがその特徴だというその特徴が増殖したってことか。それからむかしはタンメンとわかめタンメンしかなかった気がするのだがこれも思い込みだったのか?いまは葱タンメンとかチャーシュータンメンとか何種類かのタンメンがあった。
 食べ終えて、夏の夜を家に帰る。信号を渡り、住宅街の道をサンダルをずるずると引きずって歩く。少しだけすずしくなった夜風が、季節が真夏から晩夏に移っていることを痛感させる。

 久々に見た地下鉄のザジは色使いがすごくきれい。60年代だけが出せてその後の時間からは生み出せないようなしゃれた映像が90分間ずっと続いていた。
 ビルエバンスの「ワルツ・フォー・デビィ」のアルバムにはざわめきやグラスに当たる氷の音?が聞こえる。カフェの映画はしゃちこばらずにもうちょっとそういう「騒音」が混じっているラフな感じの中で、どの断面を見ても楽しめる映画(例えばザジはまさにそうだと思う)がかかるといいですね。