夏の終わり


 午前から空高く真っ白な雲がいくつも聳え立っていて、昨晩の朧月から始まって、どうやら夏の高気圧はその王座を奪われそうです。今日は曇りときどき土砂降り、たまに快晴、といった天気でした。土曜日午前、葉山の森山神社参道で行なわれている土曜市でyamachan1972さんと合流します。そこからバスで森戸神社に移動し、神社裏の磯浜を少し歩きます。水平線上で雲と海の境が不明瞭にぼやけている領域が何か所か見えます。そういう場所は雨が降っているそうです。これはいつも海上でとあるお仕事をしていらっしゃるyamachan1972さんの説明。だからもうすぐ雨が降るよ、と彼が言うので、急いで、これは私が彼を案内したかったcafeDAYS386に行きました。11時開店の店の11時ちょっとすぎの一番客です。店に入ってすぐに本当にものすごい土砂降りがやってきました。目の前のバス通り(とは行っても海岸回りのバス通りはバスにとってはすごく細い道幅)を挟んだ仕舞屋のもと牛乳店の軒先から滝のように雨粒が落ちています。そんななかずぶ濡れになった自転車やバイクがときおり通って行きます。店内ではディラン風の音楽がかかっている。yamachan1972さんは「聞いたことがあるな」とぽつりとおっしゃる。ベジタブルサンドイッチを食べました。葉山藝大(仮想の大学)のBOOK02「本に恋して」700円が置かれていたので購入。この五月に参加した逗子アートブックフェアを運営したり、そこに出店したりしていた方の名前もちらほら。大勢の方が好きな本のことを紹介しています。雨の合間にバスと電車で鎌倉に移動。「本に恋して」にも寄稿している鎌倉のBOOKS Mobloに行ってみます。すると店主の奥様が、開催中の『SMALL WORLD Fair in moblo』に展示しているインドやメキシコの絵本を紹介してくださいました。http://moblo.ocnk.net/news#24をご覧ください。インドのTREEの本が特に素晴らしいと思った。宇宙感(なんていい加減な言葉でいいのか?)が漂います。
 そうだった、Mobloへ行く前に鎌倉農協即売所に行って、青い目の青年が野菜を並べているところで「茄子、おいしいよ!」と声を掛けられたので「これは、あなたが育てたのですか?」と聞いたら「アナタはスバラシイ」と言われた。なんのこっちゃ?と思いながら彼の説明を聞くと、ほとんどの人は「これは、あなたが作ったのですか?」と聞いてくる。でもそうじゃない。私が作ったのではなく作るのは神様で、私は育てているだけです。だから「育てているのか?」と聞かれるのか正しい、ということでした。なるほどね、そこまで深く考えて言ったわけではなかったのですが・・・
 ときどき雨宿りをしながら、午後2時ころでしょうか、ヴァカンスへ行ってみます。あやこさんおすすめの野菜のトルティージャを食べました。スペイン風のオムレツをそう言うそうです。カウンター席であやこさんやyamachan1972さんや、たまたま隣に座った女性の方なんかと雑談をしているうちに、昨日の夜の満月の話になり、みなさんが盛んにブルームーンがきれいだったとおっしゃっている。私はブルームーンって何のことか判らない。そこで聞いてみると、ひとつきのうちに二回満月があるときそう言うのだと教えてもらいました。そういえば8/4だったかの茅ヶ崎の花火大会の日が満月だったように思います。あれから27日くらいたっているからさもありなんと思いました。それで二月のブルームーンが一番貴重なのだなと思ったのですが、二月にブルームーンは無理なのではないか?と誰かがちらっと言いました。でも二月一日が満月の二月にはありえるのではないのかな?
 最近読んだ本に武田泰淳異色短編集というのがあります。「ニセ札使いの手記」という小説はちょっと小実昌さんのテイストを思い出しました。ほかの短編はそれぞれにまったく違う風であってびっくりした。