須田塾9月例会 MOTOYAにて


 今月の須田一政写真塾には、ここひとつきほどの間に撮ったデジタルのカラー写真からモノクロに変換したら「面白そう」に思えた写真を約60枚ほどを選び、フォトショップでモノクロ変換をして、ちょっとだけノイズを入れたりコントラストを調整したりしたものを持っていきました。須田塾にモノクロを持っていくことはいままでもほとんどありませんでしたし、ごく稀に持って行ってもあまりよい感想をいただけなかったと思っています。今日の写真に対しては、いろいろと好意的な感想もいただけました。夢を見ているときはどんな荒唐無稽な夢でもそれが当たり前のように思っている、そういう感じがする、とおっしゃってくださった方がいました。先生からは「逡巡」という言葉がありました。AbHAYASHIさんからは(岬た撮った写真の集まりなのにもかかわらず)ファウンドフォトのようだ、とか。


 須田塾を途中で抜けて初台のMOTOYAに「もう一つのBOOK FAIR」に立ち寄りました。
 ニセアカシア発行所の本を手にしてくださっているお客様を見ているとどきどきします。欲しい本がたくさんあって悩んでしまいます。ちょうど来ていらっしゃったイラストレーターのタニダリョーコさんの本は白い紙のピュアな感じと線画のシンプルさがあいまって持っていることで、それをいま開いていなくても、満足になれるような本でした。
http://rktnd.com/


 MOTOYAから代々木八幡駅に向かう途中、幹線道路は工事中で、その工事現場の囲いの外に古い写真が飾ってありました。素っ気ない工事現場の横を通る人たちに、少しだけでもふと足を止めてもらえるためのものでしょう。このケーブルカーの写真には次のような解説文が添えてありました。
「写真の乗り物は、現在の渋谷駅前広場の上を通っていた、幻の空中ケーブルカー「ひばり号」です。当時、東急百貨店屋上から玉電ビルの間を運行していましたが、儒者できるのは子供のみで、定員は12名でした。玉電ビルでは降りることはできず、折り返し運転が行われていました。当時の子供たちには大変に人気がありましたが、昭和26年(1961)から1年半ほどの短い期間しか運航されませんでした」
 私は先日、この場所に今年オープンした渋谷ヒカリエの12階あたりから渋谷駅前広場を見下ろしました。東横線の駅がよく見えましたが、来年には地下駅になり駅舎は取り壊されるのだと思います。街の変貌は、思っているよりずっとずっとすばやくて、そして変わったことに慣れてしまう速度も自分自身で思っている以上にずっと早い、と思います。

 帰りの小田急線の中ではアニマル・コレクティブを聴きながら、三浦しをん林業が舞台の文庫本を読んでいました。

Merriweather Post Pavilion

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