台風が来る日


 30日日曜日は午後3時ころから台風の影響で大風と大雨になる予報で、明日の早朝3時ころまでは続くでしょう、と朝7時のニュースがしゃべっていました。その通り、これを書いている午後6時半にはときどきものすごい風が窓全体をどどっと押してきています。
 都内へバイトに行っている家族のSは帰宅できるだろうか?ちょっと心配です。
 昼ごろに茅ヶ崎駅の方へ自転車で出かけたときは真夏のような暑さで太陽もぎんぎんに照っていました。正確な天気予報のなかった江戸時代とかにはこういう日に出かけてしまう旅の人たちは大変だったんだろうな。

 駅の方に出て、久しぶりにサブウェイ・サンドイッチを買いました。たまにはいいねえ!ということになり、ウェブでメニューを調べて、小さなメモ用紙に食べたいサンドイッチとパンの種類を書き、持っていきました。家族の某は「チーズ抜き+ピクルス多目」の特注が定番です。書いてきたメモ用紙をズボンのポケットから取り出して、間違いのないようにオーダーします。もちろん「ターキーブレストはチーズ抜きでピクルス多目」とも伝えます。私のすぐあとに入ってきた人は「ターキーブレストでオリーブとピクルスは抜いてください」と言いました。サンドイッチを作る人が混乱したらしく、計3回も確認されました。そのたびに「ターキーブレストはチーズ抜きでピクルス多目」と言います。帰宅して食べたのですが、間違いはありませんでした。

 サブウェイ・サンドイッチだけではなくBOOK OFFにも寄りました。昨日の朝日新聞の朝刊では村上春樹の本で何が好きですか?投票結果!といった記事がありました。あれ?読んだんだけど何が1位で何が2位で何が3位だったかもう忘れてしまっています。海辺のカフカという小説は、一度だけ読んで、読み終わった上下二巻の単行本をすぐに古本屋に売ってしまいました。たぶん十年くらい前のことだろう。
 そのとき、カフカの読後の印象はあんまり良くなかった。最初の三部作(風の歌〜羊)や、その後のねじまき鳥やワンダーランドの本に比べると、ちょっと緻密さに欠けているように思ったような、そんなかすかな記憶しかありません。それで、ちょっとがっかりして、そのあと1Q84が出ましたが、まだ読んでいません。でも昨日の朝刊の記事を読んでいたら「海辺のカフカ」に寄せられた感想意見に、面白いコメントがあって、だから思い出そうとして、どんな話なんだっけかな?たしか四国と石が出てきたな・・・でもそれしか覚えていないのです。たぶん、古本なら一冊百円か二百円で買えるだろうから、海辺のカフカをもう一度読んでみようかな、と思いました。それでBOOK OFFに行ってみたのですが、なんと新潮文庫の(下)だけがあって上巻がありませんでした。だから結局はサンドイッチだけをトートバックに入れて、自転車をこいで帰ってきました。そうそう行きがけに自転車のタイヤに空気を入れました。自転車に乗ったのは二か月ぶりくらいかもしれない。夏の間は暑くてまったく乗らなかった。こんなことも数年か十年のスパンでみると変わってしまう。以前は、真夏に自転車に乗ってカメラもぶらさげてそこいらを走り回っていたのになあ。

 先週の日曜日だったか土曜日だったか、東京駅で発車時間まぎわの東海道線で二人の青年が並んですわり、一人がもう一人にその機能を見せたいらしく、iPHONEに向かって話していました。音声認識を試しているようでした。最初は駅名を話しています。大船とか藤沢とか。それはたぶん路線検索の入力などを試していたのでしょう。ついで、今度はアドレス帳を読みだすためか「横山」と言いました。すると二人の青年の横で缶ビールを持って赤い顔をして座っていたおじさん、半分眠りかけていたようなおじさんが、びくっとして目を大きく見開きました。私は正面に座っていたので、おじさんの様子がよくわかりました。あれ、あのおじさんは「うるさい!」って思っているのかな?と注目していると、青年の一人がもう一度「横山!」と言いました。するとおじさんは背もたれから背中を浮かせ、二人の前ににゅっと顔を出すように身体を曲げると「おい、俺の名前を呼ぶんじゃない」と言いました。

 ずっと家にいて、だんだんと雨風が強くなっています。夕方には暇つぶしで昔撮った写真のインクジェットプリントを見ていました。六年か七年前に川崎市内をうろうろして撮った写真、2Lサイズの写真数十枚を入れたクリアフォルダーが出てきました。その年、川崎ミュージアムの中庭で行われる地元ミュージシャンの音楽イベントに合わせて、会場にぼんぼりを置く、そのぼんぼりで写真を照らす、といった会社の写真部の企画があってそのための写真を撮り歩きました。懐かしくなって、だけどPCやHDDからその写真を探し出すのは至難の業。よって2Lサイズの写真を接写してみました。上はその六年か七年前のある日の雲で、決して今日の台風前の雲ではないのです。溝の口駅のガード下では、下の写真のカツカレーを食べたのですが、もうあの古い商店街なんかはなくなっているのかもしれないな。

 二週間か三週間か前に、夜、どこかから帰宅するべく茅ヶ崎駅からバスに乗り、近くのバス停留所で降りて、歩いてくると、マンションの入り口付近で北の空を見上げているご近所のSさんの奥さんにぶつかりそうになりました。Sさんはあそこにカシオペアが見えるように思います、とおっしゃるのですが、私にはバス通りの街灯のせいもあって星を見分けることはできませんでした。視力はメガネをかけて1.0前後なのですが・・・。
 そのあと函館に行ったときの夜(の同じような時間)に埠頭から海と空を撮った写真を見ていたら、北斗七星が低い位置に横たわって写っているのに気が付きました。その場では気が付かなかった。写真を見ていて気が付いたのです。それで、北斗七星が低い位置に横たわっているということは、すなあちカシオペアは高い位置からW字をひっくり返したように上がっているのだと分かりました。だからSさんが見ていて私が見えなかったのは確かにカシオペアだと思います。

 このカツカレーは美味しかっただろうか?美味しそうに見えるけれど。

 知人のヒラタマイコさんが京都のギャラリーメインで個展開催中です。
http://www.gallerymain.jpn.org/exhibition2012/067_hirata
昨年プレイスMで同名写真展を見たときは素晴らしいと思ったものでした。京都在住の方には是非お勧めです!