台風一過


 案の定、昨晩、台風による鉄道各社の運休状況に巻き込まれ茅ヶ崎駅までたどり着けなくなったSを救い出すべく、23時前後に自家用車で横浜市内の某駅まで迎えに行くことになりました。夜の運転はキライ。今朝は目が腫れていた。
 知人のブログを読んでいたら、台風予報から早々に運休を予告して帰宅を促す社会にちょっとばかし不自由を感じるといったことが書いてあって、激しく同感しました。いやなに、いざ強風の町に車で発車してみると、台風の町にはらはらしながらも、強風で揺れる街路樹や、乱れないように髪を抑えて車からコンビニに小走りで走る女性やら、台風なんて何も気にせずジョギングている青年や、がらがらのリンガーハットの中で煙草を吸ってるおっさんや、割れているガラスが落ちている道や、車から見える風景が面白いのです。もちろんリスクはあるわけで、たとえば街路樹の松がちょうど私の車に倒れてきて大けがをしたりすれば、こんな夜に車で出かけるアホなやつ、ってことになるのかもしれませんが・・・
 なんだか落っこちてけがするのを防ぐために、児童公園からジャングルジムを撤去してしまおう、という発想に似ている台風対応のようかもしれないですね。いや、そうはいっても実際犠牲者も出ているから、安易にこんなこと書いてはいけないのでしょうが。
 子供のころ、台風の来る夜に、停電した室内に揺れる蝋燭の明かりの中でトランジスタラジオで気象情報を聞いて、そういう夜は夜更かしも怒られず(なにしろ両親は家が飛ばされないように箪笥を風上の縁側に動かしたりして大忙しだった)、布団の中でおかしまで食べたりした。子供の私は危険を理解してなくて、そんな夜がわくわくだった。
 翌朝、裏木戸が倒れていて、そこに出ていた古釘を父が踏んでしまい、私は父が破傷風になるのではないか心配したのです。

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

雑誌新潮に発表されたときに読んで、わけがわからなくて、それでも二度くらい読んで、そのあと文庫になってこれまた二度目を読んでいて、新潮と新潮文庫で話の30%くらいが入れ替わっていて、それもびっくりですが、繰り返して読んでいるとだんだん忘れがたくなってくる変な小説。