はやま一箱古本市


 葉山の森山神社参道横にある一色会館ではやま一箱古本市が開かれました。今年の3月に・・・あれ?2月かな・・・に、鵠沼一箱古本市@梅庵で一緒だった「余白や」「RAINBOW BOOKS」なども参加していました。朝、8時少し前のバスで茅ヶ崎駅に行き、逗子には8時半くらいにはもう着きました。乗り継ぎがスムーズでした。一箱古本市が始まるのは11時なので、2時間半の時間をかけて、海沿いを散歩しながら歩いて行くことにしました。そこで逗子の商店街を抜け、逗子開成中高学校の横を通り、人がたくさんいるからなんだなんだ?と思ったところは、「わかなパン」が日曜に営業しているSUNDAY JAMというパンケーキ朝食のお店でした。そのすぐ隣が、シネマアミーゴ。思ったよりずっときれいな店でした。そして川を渡り、川沿いに進み、コンビニで小用を足し、信号を渡り、緩い坂を上って下ってカーヴを曲がると葉山マリーナのあたりに出ました。小さな日曜朝市を通過します。大きな犬を連れている人がいます。それを写真に撮っている人もいます。野菜をたくさん買っている人がいます。
 バス通りと砂浜のあいだのくねくねと曲がった細い道を気まぐれに路地を選んで歩きます。小さな神社は漁村の守り神でしょうか。路地はときに砂浜に突き当ります。砂の浜だけでなくごろごろとした石の浜のときもあります。少し前に海が荒れたことがあったでしょうか。とくに石のある海辺にはごみがたくさんあって少し殺伐として感がありました。
 それでも葉山の海は、同じ相模湾に面した浜ではあっても、茅ヶ崎や辻堂や片瀬の海に寄せる大きさの波がまったく立っていません。もちろん天気(特に風のないこと)にもよるのでしょうが、海底の形状などにもよるのでしょうか。ちゃぽちゃぽと寄せる波はこれから寒くなって行くことは頭では判っていても、ずっとこののんびりとして暖かい日々が続いて行くように思わせます。いや、このあたりの海は真冬でも総じて暖かい。いつも陽だまりのような。
 私の歩く方向にはいつも太陽があって、ずっとまぶしい。まだ午前中なので森戸神社の先の磯浜にはあまり人がいませんでした。ここに三々五々集まってくる人たちの作る光景が好きなのですが。森戸神社では七五三のお参りに来ている家族連れがいました。相模湾をはさんだ向こう側には富士山が見えました。真冬にはくっきりと見える富士山ですが、今日はぼんやりとかすんで。頂上の北側にだけ雪が見えるようです。真冬の富士山の雪に比べると頂上付近にだけちょっとだけ載っている雪は、江戸時代の(?)男の子の髪型のように見える。
 御用邸の近くの小磯の海に突き出た磯の上は、芝なのかな、芝は人工的に植えられたのかな、そこだけ緑に覆われていて素敵な場所です(上の写真)。亡くなった永井宏さんが十年くらいまえにブログに、この海のことを書いていたと思います。地元の人だけが知る居心地の良い浜といったように紹介していました。今年の春に作った「見えない虹を探すこと」というタイトルのzineの表紙もここで撮った写真です。その先の大浜海岸を通り、葉山公園からバス通りに戻り、一箱古本市会場に行きました。
 そんなにたくさん本を買うつもりはなかったのですが、結局たくさんの本を買ってしまいました。
上林暁著「禁酒宣言」坪内祐三
上村一夫+関川夏央作品集「ヘイ!マスター」
堀江敏幸著「燃焼のための秀作」
ブローティガン著「西瓜糖の日々」の河出海外小説選シリーズの本
田中小実昌著「ほろよい味の旅」
これで未読冊数がまた急増。

 茅ヶ崎に戻り熊やで牡蠣フライ定食を食べました。それからいったん帰宅してから、自家用車で平塚の実家に行きました。母が、一緒に住んでいる孫(私の甥)が最近買ってきたiPODというものは何をするものなのか?と聞くので、私のiPODクラシックのイヤホンを母の左の耳に入れてもらい、録音してある数千曲の中から、母が知っていそうな曲を選んで流しました。チューリップ「心の旅」、吉田拓郎「結婚しようよ」、太田裕美木綿のハンカチーフ」、酒井俊の歌う「上を向いて歩こう」「見上げてごらん空の星を」などを順に流しました。すると母はiPODが欲しくなったみたい。もし買ったら、沢田研二なんかを聞きたいのだろう。


真名瀬のバス停留所はこのあたりを散歩するときの私的な定番被写体になってます。


大浜海岸を歩く赤い服の人