謹賀新年


 なんだかきな臭いことが沢山控えていそうな世相ですが、平和に穏やかに、楽しく明るく、この一年が過ぎることを期待したいです。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 ここ四、五年、毎年、元旦には初日の出を拝みに(いや、実際は写真を撮りに、さらに詳細な実際は初日の出を拝みに来ている大勢の人たちの写真を撮りに)茅ヶ崎の海岸に行っている。露出は難しいですね、人を撮るのは。だいたい+2/3〜+1と2/3段くらいのあいだでマメに調整しないと、空の明るさに引っ張られて、露出アンダーになってしまう。
 今日は空が澄んでいて、富士山がとてもきれいに見えました。漁港のあたりの未舗装道路に出来ていた水たまり、一昨日の大雨でできた水たまりには、シャーベット状に薄氷が浮かんでいて、最低気温は零度くらいだったのでしょうか。この暖かい湘南地方にしては寒い朝
 だけど重ね着をしているから暖かい。下は靴下を二枚重ねたり、ヒートテック(あるいはそれに準じた)素材のタイツをはいたり、ずぼんも裏はフリースの二重構造のものにしたり。上は、マフラーをぐるぐる巻いて、ニット帽をかぶる。カメラを操作するために、指先だけは覆われない毛糸の手袋をしていく。そうすると当たり前に指先だけが冷たくなってくる。
 今年もいつもと同様に日の出てくる水平線の上には雲があって、それもかなりの高さまで覆っている。その雲の隙間から初日の出の光が一瞬だけさして、すぐに隠れてしまい、いまの一瞬で初日の出を拝んだと了解するべきか、それともふたたびちゃんと全面に太陽が顔を出すまで待つべきか、あやふやで不明瞭な感じ。波打ち際にずっと並んでいる人たちも、一斉に拍手が起きたり、みなが両手を合わせて拝んだりといったことを、いつやったらいいのかわからないまま、なんとなく解散していくのだった。
 私も毎年毎年同じような写真ばかり撮ってもしゃあないじゃん、と思って、珍しくちゃんとした重量の三脚を持っていき、レンズは下手な作画をしないように28mm広角一本で、それにNDフィルターを何枚か。スローシャッターでいつもとは違う写真を撮ってみよう、などと妄想して、カメラマンの方々の放列に逆らって、一人レンズを太陽ではなくて波打ち際の人々に向けて撮ったのだが、日の出とともにサッと日がさすようなクライマックスがないままだった。
 上の写真はそんな初日の出が「終わって」から三十分くらいして、若い人たちのいくつかのグループだけがあちらとこちらとあそこ、って感じで残っている。彼等はカメラに向けて、飛んだり跳ねたりしながら記念写真を撮ったりして楽しそう。そんなところを撮ったもの。左側の三人のシルエットの形がちょいと面白いから、またここだけトリミングしたりして別の感じの写真に仕上げることが出来そうな気がする。
 下の写真が、波打ち際に並んだ人たちであります。スローシャッターで撮った作為的なことの効果はほとんどないですね、いやはやどうもなんだか・・・