
小田原に行ってみた。歩いていたら葉椰子というレストランの看板を見つけたので入ってみた。ハンバーグ定食を食べた。Mは季節の野菜スパゲッティ。季節の野菜は蕪だった。時間をかけて食べ終えて、一緒に付いてくる珈琲も飲んで、それからシャッターが降りている店が多い、古い商店街を歩いてみる。書店があったので立ち寄ると、店内は広く、通路の幅もあって、ゆっくりと本を選べる感じ。昭和初期の小田原の写真が飾ってあったり、郷土に関する本のコーナーがあったりで楽しめる。その先にあった眼鏡屋のショーウィンドウには、流行が一回りして、いままた最新の流行はレンズが大きくなっている感じだが、その一回り回る前の商品と思われるものが飾ってあるのだった。だから、もしかしたら、若い人たちが見たら、カッコいい!なんて思うのかもしれないと思う。
商店街を歩いたあとに小田原城址公園に寄る。手作り市が開かれている。その奥で、流鏑馬をやっている。流鏑馬の見学客はまばらだ。流鏑馬といっても神事のようなものではなくて、矢が当たった場所で点数を競っているらしく、放送で「4点です」とか言っている。この放送がとてもまじめな感じで、もっとお客さんが楽しめたり、笑いを誘ったりできれば、少しは人が集まるのではないか、と思ったが、いやいやそれではもっとしらけるだろうか、とも思う。
流鏑馬会場の先に梅が何本かぽつぽつとあって満開だった。そこから天守閣の方へ歩いて行くと、アニメのコスプレの連中がこっちに四人、あっちに六人、といった感じで集まっている。彼等もなにかイベントの出し物があって、それが終わって集まっているのかしら、と思ったが、Mが言うところでは「コスプレ好きの人たちの会合」のようなものではないか、とのこと。一つのグループと別のグループが交流している様子も見えない。なのにあちらにも、こちらにも、そういうグループがいるのは、誰かがこの日この時にこの場所での集合を、ネットとかで呼び掛けた訳だろうに。
いや、お城を背景にして、写真を撮ることができるからということから、自然とそういうグループが集まる名所になったのかな。
なにもわからず、びっくりしているだけだった。
城址公園には小さな動物園がある。数年前まで象の梅子がいたが亡くなったあと、象舎の建物だけは昨年くらいまでは残っていた。梅子の運動場のコンクリートがひび割れて、そのあいだから雑草が生えていた。その場所がすっかり更地になったってことなのか?どうやら象舎がなくなっているようだった。それとも私の記憶が間違っていて、違う場所にあったのかな。城址公園の動物園のケージは、動物の補充がないってことなのか、だんだんと、数年をかけて、徐々に数が減っているのではないか。
その先には、市民球場があったのだが、いまは遺跡の発掘現場になっている。その前は駐車場だった。
球場があったのはもう二十年とか三十年も前だったかもしれない。今日のような曇天ではなくて快晴の初夏の日に、その球場で草野球というのか、地元の野球チームの試合みたいなものを見ていた日があった。そういう遥かな記憶を辿ってしまう。自分がずいぶんと年を経て生きてきたものだとつくづく思ったりする。
今日が、曇天じゃなくて晴れていたらよかったのに。
小田原駅ビルに富士屋ホテルの喫茶店があったから休む。さっき珈琲を飲んだから、こんどはココアを飲んでみた。一つのモンブランケーキを分けあって食べた。