原博文写真展「家族の風景」


 23日まで福岡市albusで開催の原博文写真展「家族の風景」を見に、そしてもちろん原さんや福岡の友人たちにお会いするために、福岡まで一泊二日で出かける。先週は北海道で今度は九州で、これも偶然ではありますが。
 数日前までは30℃を優に超える猛暑だったそうだが、台風一過の福岡は湿度も温度も低く、気持ちの良い土曜日だった。フイルムカメラにこだわって、日常の家族の、支えあったり、分担しあったり、気遣いあったり、そういうことが当たり前に続いている誰のものでもある家族の暮らしの断片が、正面切ってではなく、それを示唆するように柔らかく撮られている。とても原さんらしい写真でした。初個展おめでとうございます。

 上の写真は午後8時、閉廊の時間となり外に出たときにギャラリーの前に植えられていた木です。前ピン+手振れしています。それでもこんな感じ(ってどんな感じ?)のほのぼのとした感じが心地よいのだった。

 下の写真は原さんの一枚に写っていた赤いブックカバーが掛けてある本の部分接写です。原さん、すいません、勝手に接写してしまって。数日前に、ずーっと何年も聞いていなかった小室等の「東京」というアルバムを聴いてみたのだが、そこに収録されている「暮らし」という曲の歌詞に「赤い背表紙の愛の本」が出てきた。写真を見ていたらその歌詞を思い出した。

♪ああ、やっと探し当てたよ、お前の言っていた赤い背表紙、あれは愛の本なんだね、意外な面もいま、知らされた♪
 実際にはフラワーアレンジメントの辞書みたいな本だそうです。



 泊まったホテルは繁華街の真っただ中で、10階の窓から、酔客たちが通り過ぎていく交差点が見下ろせた。この写真を撮ったあとに、冷泉公園の屋台まで歩いて行き、ラーメンを食べました。食べている途中に日が変わった。深夜、屋台の灯りの中に属していると、なんて言うのかなあ・・・帰りそびれた人たちの人恋しさに襲われないためのまだだらだらと帰りたくない人たちの暖かい吐息のような・・・