小雨の本屋めぐり


 この旅行に出る前にネットで調べて置いた福岡市内のブックカフェや本屋を巡り歩くことにしていたのだが、小雨模様の天気でちょっと、というか、かなり残念。朝、ホテルの近くに懐かしい「喫茶店のモーニング」を食べられる店がないものか?とスマホで調べたら、広花という店のことがコメント記事で紹介されている食べログだかなんだかがあったので、そこを目指して9時半に歩き始める。この朝食は大正解で、幸先良い散歩スタートとなった。
 モーニングのあと川端の古い商店街を行ったり来たりして10:30を待ち、最初にブルックリン・パーラーというブックカフェに行ってみるが、ここは本だけを見るという店ではなくて、満腹につき店に入るのを断念。ついで、たとえばユナイテッドアロウズ等のブランド店がたくさん入っていそうな新しいビルの地下にあるカフェ&ブック「ビブリオティック」に。すると、カフェに長蛇の列ができていてびっくり。書店部は別のスペースなので、小さい店だったが何冊かの写真集をめくってみる。高橋恭司のポストカード集ロードムービーを買う。旅先で買わずとも東京や横浜でも手に入るものだろうが、でも、雨の福岡の旅先で買ったということがなにか個人的な出来事としてこのポストカード集に見えないスタンプが押されたということです。
 そのあと、ホテルにあった散歩コースマップに従って、春吉という街を歩いてみる。散歩コースの解説によると「古い町並みが残る」とあったが、うーんそうなのか?マンションがたくさん建っていて、一気に再開発が進んだ地区なのかもしれない。
 そこを歩いていたら、TAGSTA cafe & GALLERYの前を通る。開催中のマリカ・ポロフスキー展は、昨晩、その展示のポスターを夕飯を食べたイタリア料理店のトイレの壁で見かけていたので、偶然に驚く。ギャラリーを三周して三回絵を鑑賞。ポスターを見たときはムラタユウコのような絵かと思っていたが、ぜんぜん違って、ラフで示唆に富んでいる。ひねくれてしまったポップな感。NAOKI YABUという方の8枚組ポストカードも売っていて、それがえらく気に入ってしまった。
 地下鉄でふた駅移動してリード・カフェ。寝不足のうえ歩き疲れてふらふらになってくる。原さんの写真展をやっているギャラリー近くにあるブックス・キューブリックけやき通展を見てからバスで博多駅へ。電車で箱崎へ行き、同じくブックスキューブリック箱崎店へ。
 開催中の喜多村みか写真展はカフェの壁での展示で、カフェは若い女性を中心とした客で満員状態で、写真を間近に見ることが出来ないので早々に退散する。それでもこの喜多村みかの写真集はすごく好きな本でした。(新しい?)スナップ写真の、昔からのスピリットを継承してできた、ハードなのにキラキラした写真集だと思った。

 そうだった、昨日はちょうど福岡で開催していた東松照明展を見ました。その会場で東松さんが一昨年だか長崎の美術館で行ったトークショーの映像が流れていたのだが、写真に関する興味深い話をたくさんしている。胃カメラ検査を受けたときに、動画によって見ていくがいざ患部が見つかると静止画で見定めている、その見ていくと見定めるの差について、とか。あるいは、コンセプトとか意図とかは撮っているときには判らない。なんでこのシリーズを撮るのか何に突き動かされるのか、わからないまま写真が出来てまとまって、数年したあとにその意図の背景が判ることがあった、とか。等々。

 上の写真は春吉の街を歩いていたときに見つけたジャズのライブハウスの(その時間は閉店していた)壁にかけてあったソニーロリンズのポスター。


これがモーニング。

 羽田からリムジンバスで藤沢へ。レインボウブリッジや横浜ベイブリッジを渡るときに貨物船の浮かんでいるどんよりとした梅雨の海の写真を撮りました。