
新聞の「湘南版」ページを眺めていると、いろんなイベントや行事が「昨日、行われました」という記事が多くあり、見に行きたくてももう終わっている。なんか面白そうなことやってないかな〜、などと考えること自体が軽薄で、海風が始終吹き抜けていく自宅のマンションで音楽を聞きながら読書をしてるのが一番なのかもしれないが、ついつい、いやもしかしたら重度のカメラ中毒であるからなのか、カメラを持ってどこかへ行かなくては損をするぞ、といった類の軽度(いや、重度か)の脅迫観念みたいなことが発生するのか。新聞の「行われました」記事を読むと、行ってみたかったなあ、と思うことが多いが、いざ今日どこに行くべきかを調べてもなかなかこれぞと思うものが出てこない。それでも横浜根岸の米軍住宅が「盆踊りフェスタ」なる公開日であることと、夏休み中の土曜と日曜に横浜市内の動物園が夜まで開園しているという記事を見つけ出した。いや、ほかにも例えば、みなとみらい地区のドッグヤードガーデンでプロジェクションマッピングの上映をやっているなど行ってみたい「今風」の企画も見つけたのだが、朝11時時点で夜の10時の回の整理券配布が終了しているらしい人気イベントのようで、こういうのは、おじさんが一人でカメラを持ってうろつくものではないのだ。いや、根岸ベースの公開も夜の動物園も、それぞれ地元のふれあいとか子供のためとか、主目的があって、おじさんが一人のこのこと出かけるものでもないのだが、なんとなく人の集まっているところを撮りたいという主催者からすると迷惑な(?)行動発意なのである。
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根岸の米軍住宅地は起伏のある芝生広場が美しい根岸森林公園に隣接している。特Lサイズくらいありそうなピザを買っている人が大勢いる。ピザとビールとチキンとポテトフライなんかを買って、そのまま森林公園に行って、芝生にシートを広げて皆で食べるなんていう行動パターンがおすすめのようだったが、でもそうしている人は少なくて、結局近所の人が家に持って帰って食べているのだな。五レーンくらいの小さなボウリング場と、ミニシアターよりはちょっと大きな映画館があった。特段「アメリカっぽい」わけではないようだ。盆踊りフェス開始の式典で、どういう肩書なのかな、この日本の中の米国のエリアの責任者と思われる、筋骨隆々を思わせる身体にぴしっと真っ白な制服を着た方が、アメリカ人だから当然英語であいさつをしている。ちょっと話しては、日本語通訳の女性が訳していく。盆踊りという日本の伝統の日をみなさんとともに楽しめるということが、うんぬん。次いで、中区だったかの区長が出てきて、最初の自己紹介だけは英語で話す。いちばんアメリカが垣間見えたのは、このあいさつのあと、この責任者の方と区長さんが並んで記念写真を撮られているときの責任者の方の笑顔。本当に鏡を見て練習したのに違いない、と思わせるような笑顔の作り方で、何人かのカメラマンが写真を撮り終えるまでそこにそのままの表情でずっと立っていらっしゃるのだった。
帰宅して写真を見たら、ボーリング場のそばに置いてあったこのビリヤード台の写真が、本物なのにトーマス・デマンドが紙で作った模型のように写っているのだった。
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4時から5時、森林公園に寝転がってアイポッドでテナーサックスとベースのデュオを聞きながら、昨年買ってずっと読んでいなかった(ちょっと読んで中断していた)リディア・デイビス著「ほとんど記憶のない女」を読み進む。この作品は数行からなる短い、詩のような文章から、二十ページくらいの短編までが含まれていて、その中身も、ふと思いついた考察のようなことから、登場人物の心情を追った内面の物語だったり、あるいは少し前の時代の旅行記の体裁のものが出てきたりで、よくある連作短編とか、そうでなくてもある時期に作家が発表した短編が「短編集を組めるまで溜まったからまとめましょう」といったようなものとまったく違っている。作品の並び順や、長短のリズムなど、から読書体験全体がもたらす何かを秘めるように作られている。でも一年かけて2/3くらいまで読んできた私のような読者は、その仕掛けが十分わからないかもしれない。いまのところ、カウボーイと結婚したいと思う大学教師の話がすごく面白かった。
とはいえ、寝転がって本を読んでいたら眠くなってしまい、数十分眠る。4時の森林公園、気持ちが良かった。
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バスで野毛へ移動。野毛の街をちょっとだけ歩いてから動物園まで坂を上がる。動物園は家族ずれとカップルばかり。カメラを持った私のような怪しいおじさんはほとんどいない。私のほかには一人か二人か。たしかに動物は真昼間よりもよく動いていたように思えた。熊が檻の中とはいえ、見えやすい高い場所に上がってきたときには人だかりができる。コンドルが檻の中とはいえ、大きな羽ばたきの音で飛ぶのは初めて見た。
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木陰の風は気持ちが良いのだが、猛暑報道のせいもあるのか人影がまばらな森林公園
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のったりと動く熊を見上げる人たち
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コンドルはこの檻の中でばさばさと飛ぶ
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