御礼 ニセアカシア発行所展覧会


 7月7日より12日まで茅場町森岡書店にてニセアカシア発行所展覧会を開催いたしました。展覧会では、いままでニセアカシア発行所から発行したリトルプレス写真集やzine、および、同人の写真作品と文章作品(詩、エッセイ、小説、など)を掲載しながら2011年より発行を重ねてきたニセアカシア1〜4号を展示し、お手に取っていただけるようにしたほか、本展に合わせて7/7オープン日の昼にぎりぎり間に合ってまだインクも乾ききっていない状態で届いたニセアカシア5号もお披露目をいたしました。また、この5号に掲載した写真作品を全員が掲示したほか、初めての試みとしてはニセアカシア5号の中身(写真や小説)に出てくるモノやコトにちなむブローチ等も展示しました。またこれらを販売いたしました。

 期間中は台風の通過が予想されてもいましたが、大きな問題もなく、とくに最終日の12日土曜は台風一過の快晴に恵まれ、常に四人か五人の方に詰めかけていただき、盛況となり感謝しております。ニセアカシア発行所のいままでの発刊物を手にしてじっくりと見ていただき、ありがとうございました。

 上の写真は今回から正式に同人に加わった京都在住のハヤシクミコ作品。二枚の紙質を変えたプリントを重ねて、その隙間に(たとえば風が吹くことで)像に淡い揺らぎが起きる仕掛けでした。


 喧々諤々だった中間反省会ののちに最終日になって張り出されたメッセージプレート。「しばしのお時間を私たちの写真や本とともに過ごしていただければ幸甚です」

 若い友人の森川さんもじっくりと見てくださいました。森川さんもニセアカシア発行所からzineを一冊発行しています。林誠治の写真作品「504号室」からは二枚の大型プリントの掲示。半月と稲妻。私は大きな月となると帝都物語を思い出す。

 私の写真展示です。作品名は「音のない雨」。この写真展示を同人の某くんがお客さんに「岬さんの写真は記録写真ではなく記憶写真です」と説明していたのでかえってこっちが目が開かされた気分になった。左奥から右に見る方向を想定して並べました。搬入のときにもっとよく考えればよかったのが途中に微妙な段差があって、そこを横切って展示せざるを得なくなったこと。少女の髪が風になびいている写真と、その下の二人の男性(黄色いマフラーと青いバッグの)写真が、何度も壁から落ちてしまい、とくに少女の写真は途中から掲示を取りやめざるを得なくなったことです。最初(写真の左はし)に湘南平から撮った相模湾と天気雨の写真を置いたのですが、この写真を気に入ってくださった方が多かったようです。

 森岡書店は川沿いにある昭和二年に建てられた近代建築、第二井上ビルの三階。店主の森岡さんが今に至るまでをつづった「荒野の古本屋」、なかなか面白かった。

荒野の古本屋 (就職しないで生きるには21)

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