大道


 12月にキヤノンギャラリーSで森山大道写真展「遠野物語2」が予定されているのを知ったこともあり、2008年か2009年頃にNHKテレビのETV特集だろうか、森山大道の軌跡を辿ったような90分の番組が放送されたものがDVDに録画してあったので、久し振りにそれを再生して見た。そのあとで、2003年頃の日曜美術館て放送された同じく森山大道の回のDVDも見た。それから、写真集NOTHERNに付録してあったDVDまでも見た。

写真は光と時間の化石。カメラはコピー機。目は常にレーダーのように先へ先へと見ていく。解体されたのは写真なじゃなくて自分だった。撮れなくてもいつも考えているのは写真のことばかりだった。

おっしゃることがいちいちカッコいいのだった。
森山大道が写真を撮っている場所は、誰もがそこに行くことが出来る。撮っている写真は、そこに立ちそこにカメラを向け、オートモードでシャッターを切りさえすれば、同じ映像が撮れるわけである。ではなにが違うのか?結局は、継続と集積と、あとは暗室作業で作り出される「調子」の独自性のようなことだろうか。

とにかく数を撮らなければ何も見えてこないから、と、学生相手に話す場面もあった。