セザンヌ展@ポーラ美術館


 箱根にあるポーラ美術館に「セザンヌ 近代絵画の父になるまで」展を家族勢揃いで鑑賞に行く。小雨。ポーラ美術館の裏手に広がる、よく手入れがされた森の小路を歩いていると、雨はうっとうしくはなく、しっとりとした空気に心地よさも感じる。

 セザンヌは「感覚の実現」を目指していた(と、買った図録に書いてあった)。目の前を時間とともに流れる「世界」の「変容」を五感で感じ「続けている」、その全部が「感覚」で、それを一枚の絵画に実現(再現ってことかな?)しようとしていた。
 すげえ・・・

 では、こういう解説を読まずに、セザンヌの絵の前に立って、そういうことの成果を私は感じ取っているのだろうか?もちろん、こんな風な論理的な理解でないにしても、なにかビビッと来ることが出来ているだろうか?
こういうことを知ると、画家の成果を見極めるために鑑賞者ももっとずっと真摯に時間をかけて向き合わなければいけないのだ、などと思ったりもするが、そうではなくて、そんなことは知らなくても、その絵の前で足を止めさせる力を絵に持たせたいと画家は考えたのかもしれない。だから、どの絵が好きだった?なんて聞かれて、思い浮かぶ一枚があれば、それは絵の力だったのだろう。とかなんとか、よくわからないまま・・・