りべれあ


 三ヶ月に一回の割合で発刊される福岡市のミニコミ誌(でいいのかな?)の「りべれあ」(http://liberea.web.fc2.com/index.html)に、そこには詩やショートショートや紀行文や短歌や、福祉などにかかわる市民団体の草の活動レポートなどが掲載されるのだが、2007年ころからだろうか、ずっとショートショートを書かせてもらっている。最初、福岡で写真のグループ展をしたときに、ギャラリーのオーナーだったYIさんに頼まれたのがきっかけだった。YIさんはこの本の編集もやっている。原稿用紙にして十枚から十五枚くらいの話を書いている。例えば、
・ノートに書いた詩を毎朝公園で朗読する。いちど朗読するとその言葉はノートを離れて空中へと消えていく。ノートは白紙に戻る、という話。
・夜行動物園で夜行動物を熱心に見たあとに夜行動物に「中(あた)って」しまい眠りに誘われる、という話。
・秋になるとどこかにひっそりと「昔話」という名前のスナックが開店する。そこには老人達が昔話を手放しに来る。記憶力と引き換えに。というちょっと怖い話。
・(いまはもうあまりないだろう)間借りをしているおとなしい学生がいる。大家のずうたいが大きなスケバンの女子高校生に怖れを抱いている。ある日、スケバンの子が道路に飛び出した子供を身体を投げ出して救う場面に遭遇する。男は怖れをいだく一方で女子高校生が好きになるのだが・・・という悲しい恋の話。
 そんなのをもう三十話前後も書いてきた。
 締め切りのころになると、あれこれとネタを考える。パソコンでざざざっと書いてみてから、執拗に校正をしていく。こんな風にスヌーピーのボールペンの赤で、珈琲を飲みながら校正したりもする。
今回は日の入りの時刻に地球の反対側で日の出を迎えている人のことを考えている男の子の話にしてみよう。