そぼ降る雨のなか、上野新宿ラインで宇都宮から茅ヶ崎まで移動する。すっかり夜になっていても、町の灯りを雨雲が反射するのか、デジタルカメラには銀色の雨雲が写る。
数日前、YOUTUBEに上がっていた森山大道を追った映画「ニアイコール」を見た。吉田篤弘著「ソラシド」を読んだ。
葉山にあるカフェのブログをなんとなく読んでてシネマ・ダブ・モンクスという二人組のバンドの名前を知る。そのカフェで今年の夏にライブがあったそうだ。ソラシドを読んでいたせいもあって(ソラシドはダブルベースとギターおよびボーカルによる二人組の幻のバンド「ソラシド」が出てくる物語)そのバンドのことが気になりやっぱりYOUTUBEに上がっていたライブの様子を見てみる。最新作「永遠と一日」を買おうかと思うが、すでに新品は売り切れで中古価格は高価。それで比較的安価な一枚目?二枚目?をアマゾンで買ってみる。届いたCDを眠りに入る前の夜の時間に流しながら、消灯前の読書をするが、すぐに眠気に襲われてほとんどページが進まない。ブラッドベリの最晩年の短編を含んだ短編集が文庫になっていたのを買ったので、読もうと思っているのだが。
もう五十年近く前、平塚市に住んでいたころ。家は駅から徒歩で25分くらいの住宅街にあったが、すぐ近くにいまは平塚総合公園になっている農林省の実験場があり、そこには大木もあったせいなのか、夜になるとフクロウの声が聞こえることがあった。フクロウの声が聞こえるのはいつでもこの季節、秋が深まった季節、だったと思うのだがどうだろうか?私のなかで、早く来る夜とフクロウの声の「相性の良さ」のような予定調和的解釈をして、そういう季節だったという記憶が作られているのかもしれない。
シネマ・ダブ・モンクスのアルバムには虫の声などの効果音(なのか?これはライブ盤なのでその場でその音があったのか?)が聞こえる。小さな秘密基地に閉じこもってひっそりと長い夜の時間を好き勝手に使って過ごしたいような、そんな気分ではあるが、いつでも何かにせかされていて。豊かな時間として自分の時間を扱うことが下手くそだ。これが上手になると人生は至福なのだろうか。
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