浜降祭の朝


 数年振りに茅ヶ崎浜降祭りを見物に、早朝の茅ヶ崎海岸へ。5時半に家を出て、徒歩で海岸まで、およそ30分。途中御霊神社や住吉神社の名を掲げた神輿に追い付き追い抜く。深夜の2時過ぎに例年通り、私の家のすぐ横のバス通りを本社宮の神輿が盛んな囃子声や太鼓の音とともに通過して行ったのを半分眠ったままブラインドの隙間からちょっとのぞいた。この祭りは茅ヶ崎界隈の四十くらいの神社から深夜に出発した神輿が、早朝に茅ヶ崎海岸に集まり整列し、神事を執り行い帰っていく。寒川神社が全神社のさらに元締めなのかな?詳しいことはよく知りません。砂浜に着いた神輿はみそぎのために海に入り(担ぎ手の腹から胸くらいの深さまで)そののち列に並ぶのだが、今年は私が見ていた限り一騎も海に入らなかった。途中場内放送で、サメが見つかったため海に入らないように、と流れていたから、それが理由で自粛していたのかもしれない。それでちょっとクライマックスに欠ける感じだった。(と思って、いまニュースを見たら、ちゃんと海に入っている神輿が写っていたから、私が会場に着いたのが「遅くて」最後のいくつかの神輿が海に入らなかったために観られなかったというだけなのだった。いや、私が帰ったあとに神事終了後に入ったのかもしれないな。)
 神輿は国道134を渡って、漁港の坂を下り、いつもは漁港の駐車場になっている広場で最後の気勢をあげてから整列する。広場の周りや神輿の回りは大勢の法被を着たその神輿の町内の参加者や交代する担ぎ手や、カメラマンや見物客が取り囲んでいるわけだが、こんなふうに広場からちょっと離れた砂浜や波打ち際にも大勢の人がいて、彼らはなんとなくぼんやりと佇んでいる。神輿見物にも飽きたし、まだそれほど気温も上がっていない早朝の砂浜でなんとなく海を見たり遠くの神輿を遠望したりしながら立っている。座っている人もいるけど。この周辺ゾーンのぼんやりした人たちを半逆光〜逆光で見ている(撮る)のがいいですね。なぜいいかって、私もぼんやりしているからでしょうか。そっちに属したい。しかし、属したくても写真を撮る方に忙しくて結局属せない。カメラマン趣味って、リラックス下手な人種のつまらない本性のカモフラージュなのかなあ。属せないまま、それでも神輿の回りの祭の場面ではなく、こんな光景ばかりを撮っている。
 写真で左を見ている人は神輿の方を右を見ている人は海を見ているのです。



 浜降祭に行くといつも買うのがお好み焼きで毎年同じ屋台で買っているのかどうかわからないのだが、だいいち毎年同じ店が出ているのかもどういう仕組みで出店が決まっているのかも知らないしわからないが、なんとなくいつもこれを買っている気がする。美味しいです。二つ買って家まで持って帰って食べる。