散歩日和


 右の肩が冬になると異様に凝ってしまうのは、いつも外出のときにトートバックを右肩にかけていることや、会社の書類バッグも手に持つのではなく、ついついショルダー紐を右肩にかけてしまうことに起因しているのかもしれない。と思ったので、あまり使っていないデイバックっていうのかな、いわゆるリュックサックを引っ張り出して、それにカメラや本や財布や、寒くなったときのための予備にとニット帽や、実際には散歩中に音楽を聞くことは滅多にないから使わないだろうけれどたぶん十年は愛用しているiPODクラシックや、ペットボトルの飲料や、そういうのを入れて家を出る。出て、バスに乗って、茅ヶ崎駅に着いても、どこへ行こうかな?と決まっていないことが多い。今日などは、上りの電車に乗ってもまだ決まらない。電車に揺られているうちに、葉山の御用邸近くに新しい本屋ができて、この秋に出た本特集のCasaブルータスかなにかに紹介されていたな、と言うことを思い出した。それでスマホで検索してみると、その店のことが判ったので、じゃあここを一応の目的地にしようと思った。
 葉山大道のあたりである。葉を森に変更すると写真家の名前になる。だからなに?って話だけどね。
 行ってみた本屋は狭い店内に結構な人がいて、なにかのワークショップのようなこともやっている。置かれている本は少な目。雰囲気はいいけれど。早々に退散。そのまま海まで歩く。
 御用邸前の海に出たが富士山は雲に隠れて見えない。美術館の方へ砂浜を歩く。砂浜がつながってないところはバス通りや、バス通りと海のあいだの漁村の路地をたどる。真名瀬のバス停留所近くで。路地のようなところから若い兄ちゃんが出てきて接近遭遇。出てきた方を見ると珈琲の看板があったから「珈琲飲めるの?」と聞くと「飲めます」との答え。彼に連れられて路地?玄関につながる細い道?を入っていく。彼とその仲間は、「港の灯り」と言う一軒貸しの宿と併設のコーヒースタンドを数か月前から始めたばかりという。築百年は経つ古民家をリノベして宿にしたそうで、もう二時間すると今晩の客が来るそうだ。いろんな話を聞かせてもらう。リノベのときに床下から出てきた船の櫂が飾ってある。珈琲スタンドの名前はアンカー・カフェだったかな。
 森戸海岸あたりで夕日が沈む。その時刻になるとカメラマンがたくさんやってくるのです。砂浜や突堤にやってくる。
 日が沈んだのでバスに乗って逗子へ戻る。駅の一つ前のバス停で降りて古書ととら堂に寄る。


 朝、近くの神社へまた行ってみる。一週間前には右の銀杏はまだ緑が残っていて、左の銀杏が黄色くなっていた。一週間経ったら左の銀杏は落葉し、右の銀杏が黄色のピークになっていた。右の銀杏は樹齢1000年、高さ29mで、市だったか県だったかの保存樹だかになっている。すごく太いのだ。だけど全国巨銀杏ランキングのような表を検索して見つけたがそこにはこの銀杏は載っていないうえに、このサイズだと100位以内だとは思うが、まだまだ上位が何十本もあることがわかった。