初詣に行く。二礼二拍手をしてから、この一年なんとか無事に生きてこられたことに御礼をするような気分がちょっと生じる、それから一礼をする。具体的なことをお願いする、なんてことがいつの間にかなくなった感じがする。御籤を引く。大吉。急いで性急に動かず泰然として対処すれば万事うまく行く、そんなことが書いてある。それで先日ヤマダ電機で電池を買ったときに、二つのレジの列、どちらもせいぜい二人しか並んでないのに、支払っている人の様子を伺って、途中で列を変更したら裏目に出て遅くなったことを思い出す。せっかちになりつつある。いい助言を受けたものだ。
神社は飾りつけが派手になって、売っているお守りや干支の鈴、熊手、などなども種類が増えている感じを受ける。神社にとっては初詣の集客増は経営上の重要課題だろう。放っておいても地元の人は地元の氏神様へ、と言うところから、子ども楽しめる屋台の数とかその他の仕掛けで、工夫をすれば、客を奪えるといったことが起きているのかもしれない。
本殿から左に回り込むと、なにかイベントがあったのだろうか長椅子が並べられた広い敷地があった。椅子は舞台がしつらえられた建物に向いているが三日の午後ともなればもうイベントの企画はないのか、椅子を使っている人たちは屋台で買ってきた焼きそばやたこ焼きを食べたり、甘酒を飲んだりしている。飲みながら二人に一人はスマホをいじっている。
その先に写真に写っている古札の受け取り所があるがそこは空いている。この三が日は快晴でぽかぽか天気だった。例年だと一回分残した青春18きっぷで遠くの街に行くのだが(昨年は富士宮神社に行って富士宮焼きそばを食べた。その前の年は清水か焼津かどっちだったかなマグロを食べてきた。そのまた前は東海道の吉原にあった和菓子屋さんのカメラ趣味の店主から甘納豆を買った)、今年は五回分を使い切っていたので正月に遠くの街まで電車で行っては帰ってくることはしなかった。
帰り道にデニーズで遅めの昼食。山椒の効いた麻婆茄子がかかったハンバーグと言う、こう書くと結構すさまじい感じのものを食べる。山椒が口のなかをぴりぴり刺激する。しかしハンバーグと合体するのが正解だったのかはわからなかったな。まあちゃんと完食。
昨年読了した本はわずかに44冊。ずいぶん減った。途中まで行って投げ出す本が増えている感じがする。どうも心が狭量にでもなっているのか、いや世の中が変わっていくなかですでに老人の域に差し掛かっている私の世代は主要の読者ターゲットに据えられない・・・んじゃなくて、さっさと自分の年齢をターゲットにした本を読めばよいのに、切り替えられないまま、かといって新しい文学にはなじめずに・・・と言った感じかな、それで面白い本が減ったなどとのたまっているだけなのだなきっと。
結果、日本の作家の小説は全体としてつまらなく感じるようになってしまった。それで翻訳小説を選ぶ傾向が強まっている。次に読む、次の次に読む、と予定をしている(たいていはその通りには行かないが)のは翻訳小説ばかりだ。
そのわずか44冊からいま思い出して印象深かったと思うのは
・ケン・リュウ著/紙の動物園
・オルガ・トカルチェク著/昼の家、夜の家
・石田千著/バスを待って
かな。こんなのは明日には変わるかもしれないけれども。
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