蜘蛛の糸


 茅ヶ崎から相模線に乗って二つ目かな、香川って駅がある。そこが最寄り駅でもう少し北へ行ったところに日本酒や地ビールを作っている熊澤酒造の醸造所のある敷地にレストランやカフェやギャラリーやパン屋や、当然お酒も買える、そういう店を緑のきれいな庭を中心に古い建物も活用しつつ整えた、まぁ今風な感じの、こういう施設をなんというのか単語を知らないのだけれど、総合なんちゃら、トータルナンチャラ?そこへ久しぶりに行ってみた。パンを買って、珈琲を飲んで、ショップをのぞいて。片隅に蜘蛛の巣があったので写真に撮った。数枚だけ、コンデジをマクロにして。
 おしゃれなパンの店でトレーに自分の食べたいパンを選んで載せていくと、食べるのがもちろんのこと楽しみで仕方ないし期待もする。帰宅して、いつもの自宅の、日常のなかに何年もあるダイニングテーブル、そのうえはその時々の暮らしの最前部に浮かび上がった小物類で雑然としているわけだが、そこに買ってきたパンを置いてみると、店の中で感じていたわくわく感はだいぶんと減少している。なんというかパン屋の店の中が観光のハレの舞台で、そこにいたことがハレの要素で、買ってきたパンは観光から帰ってきたあとになんでこんなの買ったのかな?と思うような土産のようだった。
 それでも使い道のない土産と違って、パンは美味しくて、食べてしまうとなくなるからいいですね。美味しかった。
 とかなんとか、これを書いているのは24日で何日も過ぎているからテキトーなことしか書けなくなっているに違いない。
 覚えているのはこんな蜘蛛の糸の写真なんてつまらないけれど、今日はこれしか写真がないなあ、とある種の焦燥感のような気分を持ちながら、仕方なくこの写真をブログにアップしたことだけなのです。