朝、海まで


 朝、海まで走ってみることにして、けれども走りながらの周りの光景のなかには必ずや写真に撮りたくなるところがあるに違いないから、カメラも持っていきたい。走ろうなどと思ったのは、先日のがん検診の事前血液検査で、肝臓の各種値も尿酸も血圧も黄色信号〜赤信号だったから、あまりの運動不足を少しは解消したいからだった。でも急に走り始めても、すぐに息が上がってしまい、歩くことになる。走りに集中できないのは右手にまるでバトンのようにコンパクトデジカメを持っているからってこともある。結局きょろきょろしてしまう。すなわち、今朝も海までのおよそ2キロを走り通せなかった。
 海に着いて写真を撮って歩くが曇天で人気も少ない。白い犬を連れたおじさんが烏にパンの耳か何かを投げている。犬は烏が怖いのか烏に興味がないのか少し後ろにひかえている。
 海の近くのデニーズに行ってモーニングセットを食べる。でも卵二個のサニーサイドアップはちょっとカロリーが高い気がする。だから一個を食べてもう一個は残し、珈琲を飲みながら、会社の某さんから昨日もらったメールに返信の返信の返信を書く。昨日言ったグッドデザイン賞の展示に普通のペンの感覚で上手に毛筆風の字が書ける筆記用具があった。筆いらず だったかな、その名前。それを試し書きしたのだが、そのときに思いついた感じが「松竹(梅)」だった、松と竹と書いてなんだかこの単語を思いつくってところが自分で思っている以上に自分が年を取っている証明のような気になり、梅は書かなかった。なんていうどうでもいい話を書いて送った。面白くもなんともないじゃないか。
 帰り道は余計に走るよりも歩いてばかりとなる。nanoshと言うパンやでいくつかパンを買って帰って、遅く起きたほかの家族がそのパンを食べるときに紅茶と一緒に私も少しパンを食べる。オニオンとチーズのパン。

 午後、母のいる施設に叔母やいとこが訪ねてくるので行く。いとこの息子はまだ小さい。八十代の母とおばは赤ちゃんをあやすのが大好きの様子。うまくあやしてすぐに打ち解ける。

 上の写真はその帰り道に車の窓から見えた赤い橋とガードレールです。

 帰宅して部屋の片づけ等々。

 ところで下のタクシーの写真は住宅街の小さな公園に止まっていたのを撮ったのだが(ジョギングの足を止めて)なんかここにタクシーを待たせている人(家の前まで寄せない人)に隠し事があって事件の香りがするような物語を思い浮かべて撮った。だけど客を迎車しているわけではなく、ただ運転手が休んでいる(寝ている)だけかもしれない。
 一番下の写真は海で撮ったのだが、最初に撮ろうとしたのは砂浜越しの向こうの倉庫だった。このときには右下の日産ステージアを画角に入れるかどうかを迷った。普段はそんな作画めいたことには無頓着でどっちかと言えば日の丸構図で撮りたいものを真ん中に置くだけなのだが、数秒だけふと迷ってからこうしてみました。