蛸も溶けそうな暑さ

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東京都写真美術館でTOPコレクションイメージを読む「写真の時間」を見る。『写真と時間、そしてそこに横たわる物語との関係性を、「制作の時間」「イメージの時間」「鑑賞の時間」という3つのキーワードによって探ります』という解説だが、それはさておき(?)、ひさびさに(たぶん2004年か2005年頃に同じ東京都写真美術館で見た奈良原一高展以来?いや、数枚なら数年前に六本木の富士フイルムスクエアでも見たかも)奈良原一高の「静止した時間」からの16枚を見る。16枚が横一列に飾られた壁があって、これはやはりアホみたいな感想だけど、かっこいいなぁ。疾走感。ストーンズの「ダイスを転がせ」が頭の中に流れ出すような感じ。静止した時間に収録されたアメリカのロードトリップで撮られた写真。それは1971-72年の写真だそうだ。で、いま調べてみたらストーンズの「ダイスを転がせ」が収録されている、ロバート・フランクの写真がジャケットに使われている「メインストリートのならず者」の発売年が1972年だった。そうなんだ、同じ年なんだ。時代の雰囲気が写っているのかなぁ。最後の、(この16枚のなかで)唯一のカラー写真アポロ17号が空に描いた軌跡(ロケット雲)が、まだいまよりずっと判りやすい時代の未来への期待と、すでに萌芽していた不安や焦燥を、ぜんぶ現しているかのように見える。

ナディフアパートに行ってみる。事前にはなにも知らなかったが、幸本紗奈「other mementos」という小ぶりの写真集が気になってとうとう買ってしまった。『ひっそりと森の中にふるい使われなくなった、例えば校舎があって、真夏なのに、冷房がないのに、そこに足を踏み入れるとひんやりとした空気が包み込んでくれてほっとする。』といった感じの本。

恵比寿駅までの道、さすがに暑さに参ってくる。ナディフに行くときに通る蛸の遊具のある公園の赤い蛸が暑さに溶けてしまったように見える。(写真、モノクロ化してみたがやはりこれはカラーですね)

学芸大学に移動し、BOOKS&SONSという書店の奥にある展示スペースで濱田英明写真展「DISTANT DRUMS」を見る。露出オーバー気味の明るい色合い、海外でのなにげない瞬間を収めた気持ちの良い写真でした。写真集が平積みになっていてそこで即売しているが中身を見ることができるsampleが一冊もないので、中身の作りが判らないから、とても買おうという判断にはならなかった。

といった感じで久々に都内写真展巡りをしました。明日は台風がやってくるらしい。関東直撃らしい。

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