もうすぐ夜になる

f:id:misaki-taku:20191208111105j:plain

 この雲をなにか生き物に見立てたとして、その生き物は左上へと上ろうとしているのか、右下へと下ろうとしているのか。ほとんど雲のない快晴の冬の夕暮れは、あっという間に暗くなるが、雲だけが一層、輝いて見える。そうすると、さっきまでの日の光が、手からこぼれた取り返しのつかない喪失のように思えてくる。すぐに取り返したくなるが、あっというまに地球の向こう側へと行ってしまった。