鎌倉散歩

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鎌倉へ行ってみる。混んでいるであろう鶴岡八幡宮には行かない。江ノ電乗り場のある方のJR出口(いわゆる裏口)から出て、すぐのところにあるカフェで昼食としてスパゲッティを食べ、目の前(カウンター席だったので)でサイフォンでいれられた珈琲を飲んだ。由比ガ浜通を歩いて、長谷の御霊神社に行ってみる。鳥居のすぐ前を江ノ電が走って行く。百円を払うと9月に行われる神事「面掛け行列」で使われるお面を見ることが出来る。異形とか烏天狗とか福禄寿のお面。みなどこかひょうきんな感じもがする。御霊神社に行く道の途中でMade in KAMAKURAの洋服を売っている小さな店があった。そこで茶色のセーターを買った。

御霊神社から坂の下の路地を下って海へ出る。ほとんど波のない波打ち際を歩く。貝がらを拾っている子供たちがいる。凧揚げをしている家族連れがいる。砂浜に拾った棒きれで2020と書いて、それと一緒に記念写真を撮っている若者がいる。

読んでいる宮本輝の書いたエッセイのなかに、ただすれ違っただけの人なのにずっと忘れない人がいる、という話があった。今日、この鎌倉ですれ違った人で、忘れずに記憶に残っている人がいるだろうか?と、午後3時過ぎに鎌倉駅に戻って来て入ったカフェで珈琲を飲みながら思い返す。マグカップに数字の5が書かれているカフェだった。

しかし、きっと数百人の人とすれ違っているのだろうに誰一人としてなにか忘れ得ぬ特別な理由をもって覚えている人なんかいない。それは私の感じる力がないからだ、と思うから、がっかりした。

スパゲッティ。タバスコなんてほんのちょっとだけ掛けるものだと知らず、中学のときにはじめて友達と二人で入った喫茶店で、二人とも「知ったかぶり」をして大量のタバスコを掛けまわしてしまったことがあった。今日もちょっと多めに掛け過ぎた感じがしないでもない、舌がぴりぴりするのだった。それでそんな中学生だった頃のことを思い出したわけ。

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