こんな場所に来るはずもないのに

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90年代前半に桜木町駅の近くで撮ったモノクロフイルムによるスナップです。このころはまだ東京急行東横線横浜駅から先、桜木町まで高架線を走っていた。その範囲の東横線が、その後、この写真を撮った数年後には、みなとみらい線になり、横浜駅から元町中華街駅まで地下を走るようになった。この高架線の下には桜木町駅近くでこのように壁の落書きが並んでいた。どこかの企業や行政が貸し出していたのか、勝手に落書きされたものだったのか判らないが。高架の線路が使われなくなったあと、ジョエル・スタンフィールドの写真集「ウォーキング・イン・ザ・ハイライン」(って名前で合っているかな?)で知ったのだが、あの写真集にまとめられているニューヨークだかの旧高架線路が散歩道になっているように、変わればいいのに、と思ったことがある。いまどうなったのか?すでに取り壊されていたっけ?それとも放置されたまま?東横線の高架に並走しているJRの線路はいまももちろん使われているから、東横線の高架線だけが廃止されたといっても大してスペースもなく使いようがないかな?わからないや。

桜木町山崎まさよしのヒット曲の歌詞に不意に固有名詞として出てくる。もう会えない恋人の面影をいつのまにか探している主人公の男。こんな場所に彼女がいるはずもないのに探してしまう心情が歌われているが、桜木町に来たときだけは、こんなところにいるはずもない、ではなく、こんなところに来るはずもない、と歌われる。きっと桜木町には二人だけの思い出があるからだろうね。