ケンタッキー

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ケンタッキーのフライド・チキンの味は、美味しいとか不味いとかの尺度とは別のところにあって、すなわちケンタッキーの味で、そういうのって、私の場合は横浜崎陽軒の焼売とか吉野家の牛丼とかであり、それに伴う思い出があったりする。四十年くらいまえに愛媛県松山市の友人の家で徹夜であれこれ語った(まぁ若いときにありがちな議論やら)あとに、松山駅までまだ明けていない町を歩いていき、駅前で食べた牛丼が美味しかった思い出とかね。ところが、その牛丼は吉野家だと思っていて、その後、二十代三十代と吉野家の牛丼をたまに食べたくなる要因のひとつにおセンチにもこの思い出があったかもしれない。のだが、なんと!四十代の頃かな、愛媛県に出張した金曜日、あの松山駅前の吉野家に行ってみようと立ち寄った松山の駅前にあった牛丼屋は、なんと!吉野家ではなく、全国チェーンの店ではない地元の牛丼の店だった。という程度の間違った思い出だったから、ケンタッキーや崎陽軒にまつわることだって怪しいものだ。最近ケンタッキーもそうなのかはわかりませんが、デニーズなどのファミレス、1980年代90年代ころに建てられた思われるアメリカン・ダイナーな感じの建物は、だんだん建て替えられて減っているのではないか。そういうのに気が付くと、時代の志向というのか雰囲気というのか価値観というのか、変わっていくそういう当たり前のことを「わかりやすく目にしている」のだと感じる。そして、なんとなく取り残されていく寂寞を感じたりする。オリジナル・チキンとコールスロー・サラダを食べました。