果物の店

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1980年代の後半に撮ったらしい写真。どこだかわからない。撮ったことも覚えていない。ただ、むかし撮ったスライド写真をデジタルカメラで接写していた、その中にあった写真です。どこだろう?果物が店一杯にびっしり置かれている感じがする。左側には別のなにかの店が写っているようだ。駅前マーケットのような場所だろうか。などと思いながら写真を眺めていたのだが、よく見るとこの次の駒に、この店の手前の道路にかかっている商店街のアーチのようなものが写っていて、よく見ると「尾山台」と書いてあるようだった。この頃は、田園都市線の藤が丘を最寄り駅とするマンションに住んでいた。会社は都立大学駅から徒歩数分のところにあったから、藤が丘から田園都市線二子玉川園に、二子玉川園から大井町線で自由が丘へ、自由が丘から東横線都立大学へと通っていた。尾山台大井町線の途中駅だったが、なんでその駅で降りたのかまったくわからない。

会社員になってもう四十年になるが、そのうち二十五年くらいは電車を使って通勤していた。勤務事業所が変わり、引っ越しもして、そのたびに使う経路や路線は変わったけれど、たくさん電車に乗ったものだ。この写真の頃はと言えば、改札には駅員が立って、切符に挟を入れたりしていた。

それだけたくさん通勤で電車に乗って来たが、乗り過ごしたことは一度だけだと思います。たしか休日に出勤するために大井町線二子玉川園から乗って、本を読むのに夢中になり、自由が丘を過ぎてしまったのだった。あのとき何の物語に没頭していたのかはわからないが、いまとなると、本に夢中になって乗り過ごすなんていうのも、笑い話というのかほほえましい感じもするな。

あの頃読んでいたのは池波正太郎の本が多かったから、きっと鬼平犯科帳の捕り物場面などに夢中になり乗り過ごしたのではないか。