夜の散歩に

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十年くらい前に長崎に旅行をした夜に、当時のデジタル一眼レフカメラを持って夜にグラバー邸よりもっと上の山の方に歩いて行き海を見下ろせる夜景や住宅地を撮りましたが、もちろん当時は高ISOではノイズだらけになり、かつ手振れ補正機能もなく、もしくは今と比較すると脆弱で、しかもオートフォーカスも暗くて機能せず・・・それでもマニュアルフォーカスを使ったり、どこかに寄り掛かったりカメラを置いたりしてできるだけ手振れを抑えようとして、撮る枚数はいまと変わらなかった。そんな写真は手振れやぴんぼけをしていたけれど、でも実はその不確かさが夜の持っている怪しさのようなことに寄り添って、写真として面白かったのかもしれないですね。

なんだか写真に写るものにそういった不確かさが消えていき、まさに「真」ばかり写るようになっていて、それはそれで良いし面白いし、でもそれはそれで悪いしつまらない、かもしれない。いずれにせよ、そんな機械の話はさておき、結局十年前も今も、夜を歩いてあちこちと撮っていくその頻度というか枚数というか、熱意というか、そういうことは「撮っているときの熱量」として変化していない自負もありますね。

どう撮れたか、なにが撮れたか、は、後のことだから実はどうでもいいのかもしれない。夜の闇の、ほかに人通りもなく街灯も暗い高速道路の工事現場などを歩くと、写真を撮る撮らないよりも、そこは子供のころほどではないにせよ、人が誰でも感じる恐怖がちゃんとありますね。

上の写真には猫が写っています。茅ヶ崎の浜見平団地。どんどん古い棟が新しく建替えられていく。

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