不意の電気機関車

 

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 ティルマンスの「コンコルド」という小ぶりの写真集を持っている。ときどきページをめくると大好きなコンコルドが「生活のなかで」ありふれた健在で空を横切ると、おっっと思って親しみと愛情を持ってあわててカメラを向けて写真を撮った。そんな風に撮りためた写真で出来ているように思える。実際にはわからないけど。最近おソラミちゃんと呼ばれる女性の飛行機カメラマンたちの師となっている、例えば満月の中を飛んで行く旅客機を見事にとらえるような技を持つ有名な飛行機カメラマンがコンコルドを撮ったら、ティルマンスのような写真にはならずにもっと超望遠効果なども生かして撮るのだろう。ティルマンスコンコルドの写真集を捲ると上記のような「憧れの心」を思い出す。
と自分でそう解釈していたコンコルドを撮ったときのティルマンスの(たぶんそういう)
気持ちを思い出しました。ふらふらと散歩をしていたら、前方の踏切が鳴り出して遮断器が下がる。たぶん東海道線の普通電車が来るのだろう、と思いながら、とくに慌てるわけでも、写真を撮るべき線路際の位置を選んでそこへ走るわけでもなく、同じ歩調で散歩を続ける。するとほとんどコンテナを載せていないコンテナ車数両を引っ張るEF65型電気機関車がやって来たのでちょっと「おっ」と思って、慌てて写真を撮った。それがこの写真です。ちょっと推定している上記のコンコルドを撮る気分と似ている気分で。慌てて撮ったので、露出はもっとずっとアンダーだったし、右側には建物の壁が写っている。そこでここへアップするにあたって、トリミングをして、トーンカーヴ補正を行いました。もしかしたらティルマンスならそんなことをしないのかもしれない。少しでもよく見せようと、私は気取っているかもしれない。

それから機関車とは全然関係ないんだけれど、、散歩しながら、習慣と感じるのはどういうときなのだろうかと考え始めました。