What's New?

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三回くらい前のブログに少し書いたようにここ五年か十年くらい前まで私が住んでいる茅ケ崎市もある相模湾に面した葉山町から大磯町のあいだにある市や町で撮った写真から百数十枚を選んでネット写真集を一冊作っておこうと思って作業をここ数日進めてきて、本日金曜日にほぼ完成したので発注しました。一冊3600円だったかな、204ページ、そのサービスの最大枚数を目いっぱい使って。発注前に最後に入れた文章をさんざんチェックしたのに、その後にもう一度読んだら、脱字が一つ見つかりちょっとがっかりしました。この写真は今年の梅の頃に鎌倉で撮ったまだオープン前のカフェの店内がガラス越しに見えた光景。このブログに使ったか使ってないか、ほんの半年くらい前のことなのによく覚えてないんだけど、たぶん使っていないと思います。上記の撮影エリアは「湘南」と言われるところだけど「湘南」という単語から連想するイメージってひとそれぞれかもしれないけど、ある一定量の固定されたイメージが多くの人に共通にあって、だからタイトルに「湘南」なんて使いたくない。湘南四季折々なんて花鳥風月をきれいに撮る写真家が使うべきタイトルだし、湘南の風はもはやガテン系っぽい熱いお兄さんの感じだし、湘南ボーイならぬ湘南坊やはちょっとすかしていていやな奴っぽい。あ、誰も「湘南坊や」なんて思いつかないか・・・湘南ボーイか・・・

写真集や写真展の作品タイトルを決めるときはささっと決まることもあり、ささっと決まる方がしっくりくるのだが、なかなか決まらないと迷走状態になってしまう。過去私の個展で「流星」というのはささっと決まったが、「LAST LULLABY」とか「TRAVIS LINE」とかは迷走の結果だ。ほかには「LONG TONE PRACTICE」なんかはささっと決まった方だ。ニセアカシアに掲載した作品も「音のない天気雨」なんかはささっと決まり「かさぶたと目薬」は迷って最後に差し替えたタイトルだったか元のタイトル候補が何だったかは忘れてしまった。

それで今回のタイトルは「What's New?」です。大したタイトルではない。もっといいのがあるだろうに思い浮かばない。ジャズのスタンダード曲の題名とおんなじで、日々のあいさつの一種で「どう最近?なんかあった?」みたいに使うらしい。じゃぁこの際写真集のタイトルを「どう最近?」にすればいいのにかっこつけて英語にしてしまうのが世代的にダサいのかもしれない。写真集を作るといっても一応予備的に一冊ではないでしょう・・・ということで三冊だけ発注しました。ラストセール割引中だけどたった三冊で一万円を越えちゃうわけです。

 

部屋の北側の窓を数週間前までは開けて、気温によって全開だったり細めだったりだけど、開けて寝ていたが、もうここのところはほぼ閉めています。閉める前に、夜、外の音を聞くとコオロギの声がもうだいぶ少ない。朝は朝で初夏にはあんなに聞こえていた鳥の声がほとんど聞こえなくなって、ベースに暗騒音として流れているような町の音、マンションのなにかの機械のモーターの音とかそういうのが交じり合ってたぶん耳に通奏的に聞こえているんじゃないか、そういう音の上にときどきバス通りを走っていく車の音がするだけだ。出勤のために5:20頃に家を自家用車で出発すると、日の出直前な感じで、新湘南バイパスから国道一号線の藤沢バイパスの途中くらいまで真正面に太陽が昇ってくる。ここのところ天気が悪かったから眩しくなかったが、今日は久々にまぶしくて苦労しました。眼鏡の上からかぶせるサングラスをあわてて掛けました。ラジオでは相変わらず今日は何の日をやっている。数日前に昭和20年代前半?に関東にカスリーンだかカスリーヌだかカトリーヌだったかな、調べればすぐわかるんだけどまぁいいや・・・そういう名前の台風がやってきて、甚大な被害が出たということが今日は何の日で紹介されていたが、それで私の母が前橋市に住んでいて台風の日、利根川に家ごと流されていく友達がいて必死に手を振ったことがあった、なんて話をしていたのを思い出した。子供の私にはそれはスリリングな冒険の始まりのように感じたのだが、いま思えば当然悲惨な災害であって、母の友達はもしかしたら亡くなったのかもしれない。私が五歳か六歳のころに、私の夏休みの期間の数日、母が実家に帰る用事があるとかで不在になったときに、すなわち1960年代前半のことですが、その時点で60年配のおばあさんがお手伝いというのかちょっと家にいてくれた(夕方に父が仕事から戻ると帰って行った)。その人は倒れる家から間一髪外に逃げ出して助かったという関東大震災の話をしてくれて、それも子供にはちょっとワクワクした冒険譚のように聞こえてしまっていた。ラジオを聞きながらそんなことを思い出した。