近くにいても、知らないこと

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2005年前後にミノルタオートコードやニューマミヤ6にネガカラーフイルムを入れて撮っていた写真を見なおして、ネットで一冊(ページ数にもよるけど)数千円で注文する写真集をレイアウトしてみた。その前に湘南で撮ったスナップで同じことをやってそれにWhat's New?ってタイトルを付けたって話は少し前のブログに書いた通り。それでそのまま今度は上記の6×6写真でやってみたということです。そのタイトルを「近くにいても、知らないこと」としてみました。近所という「近く」でも気まぐれで曲がった初めての路地で知らなかった風景に出会いそっとシャッターを押してそういう風景を撮り集めました。昆虫採集のようにそれを並べて写真集にしてみました。そんな感じのタイトル。でもこの風景の話を人と人との関係に置き換えて、親しい人(近くにいる)のことを知っているつもりでも実はまだまだ知らないと思うときがある、そんなときに重要なのは、知りたいと思い続けているかどうかで、そう思えればそれは(広義の)愛だろうか。なんてことも同時に考えながらのタイトル「近くにいても、知らないこと」です。

くるりの「魔法のじゅうたん」の歌詞は

♪君のこと沢山知ってるつもりだったな、だけど、こんなにも分からなくなるなんて♪

ではじまる。そしてそのすこしあとに

♪出会ったことがすべてだったんだ♪ と。

上の写真は静岡県伊豆半島の南端近くにある下田市で撮った写真だったと思います。朝早くにカメラをぶら下げて一人で散歩をしたのでした。いまも同じ。写真を見ることで写真を見なかったら思い出さなかったそのときのことを少し思い出せる。するとそのときと今とのあいだに流れた時間の膨大さに驚く。それだけ膨大な時間を生きているのにその膨大さに相応しい知識とか成長とかがない。ないのが大人なのか?

トタンが使われている小屋が今より当時は多かったのかそういう写真が多い。この写真に関して言うとやはり蜜柑の実の黄色が愛らしいと思います。