西の空

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会社帰り、赤信号で長い渋滞。空が高いって感じは、空気が澄んでいて遠くまで見通せることと、雲の位置が高い、というふたつの感じから来るのだろうか。たしかにいまの季節の夕方になると空が高くてもう夏なんかはるか後ろに過ぎて行ってしまった感じがするものだ。30歳くらいの頃は横浜市緑区の国道246沿いのマンションに住んでいた。246に面した駐車場にホンダの250ccのオートバイを停めていて、毎日ではなかったとは思うけれど会社にもオートバイで通う日もあった。会社(その頃通っていた事業所)は多摩川沿いの川崎市中原区にあった。会社からの帰り道に国道246号の、東京急行田園都市線の駅で言えば、鷺沼あたりかしら、下り坂があった。その坂をこの季節にオートバイで下って行くと、顔に当たる風が途中から急にひんやりと、それが1℃だったのか2℃だったのか、いやもっと小さな0.5℃だったの0.2℃だったのか、途中でひんりするのがわかるのだ。それがなぜかはわからない。街の建物の高さとか、街から出る熱量がオフィスや商店が多い地区から住宅街に変わる場所だったのか、川があったのか、風の通り道なのか。。。でもそのときには、この坂を下りながら、あ・・・季節が変わっていく、と感じていた。理屈を考えずに、ただそう感じていた。あの頃の国内のオートバイ販売台数はたしか今の5倍だか10倍だかあって、春や秋のツーリングに気持ち良いシーズンには国道で赤信号になると車の列のあいだを抜けてきたオートバイが列の一番前に5台とか10台、すぐに溜まったものだった。