遠くの微かな星雲のような

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今月あたりからぼちぼち国内出張に行くようになった。東北新幹線に乗って北関東へ。北赤羽の車窓風景。この先、荒川?を渡って、ちょっと遠くに戸田漕艇場が見える。大型の、ハワイにあるような望遠鏡でやっと観測できるような遠くにかろうじて見える星雲・・・のように、ほとんど消えかかった「漕艇場の水質が極端に悪い、それを浄化する手法として真珠貝を育てるのはどうか?というアイデアがあるという小説かニュースを読んだ」という遠くの記憶。こんなアイデア真珠貝にも漕艇場にも縁のない自分が生み出せるわけないから、いつか本当にどこかで読んだか聞いたんだと思う。でもなにか複数の情報が錯綜して、まったくあり得ないことを誤って覚えているのかもしれない。

朝のニュースで北海道のどこかで温泉を使って温度コントロールをしながらフグを育てる池を作り、それを名物にするような試みが報道されていた。でも、この案はすでに栃木の那須まで行かないけど宇都宮より北の・・・なんとか温泉ではもう実行されているんじゃなかったっけ?これも遠くの星雲のような記憶。北海道のような冬に寒くなるところでの試みという点で新しいってことかもしれないけど。フグ毒は育った場所の水質、というかその水に含まれるある種の微生物によってフグの体内に出来るものだから、温泉(人工養殖された)フグには毒はない、というのは本当なのかな?これも怪しい、遠くの星雲並みの記憶。そうだとすると、オートマチック車専用免許同様、温泉フグだけならさばいてもよい簡単フグ調理師免許なんてのがあってもいいのだろうか。

東北新幹線ではないが東北本線宇都宮線)の車窓をぼんやり眺めていると、ダチョウを育ていている放ダチョウ場のようなところが見えるところがある。ダチョウ肉の普及にトライしている方のニュースも見たような・・・いまちょっと調べたら「小山だちょう園」というのがあるようです。その小山では線路の脇に乗馬クラブがあって、たまに車窓から馬が見える。

あれは久喜とか栗橋とか古河あたりか、東北新幹線下り、進行方向に向かって右の窓(または上りの左の窓)から遠くにたくさん鉄塔が建っているのが見えるところがある。あぁそういえば、あの遠くの鉄塔がたくさん見えるは、遠くの星雲が銀河団になっているように、そういつも連想して見ていたんだった。東北新幹線がずっと高架を走っているからそう見える風景。十年くらい前までは二階建てのMaxが東北新幹線を走っていて、その二階からは広く景色が見渡せたものだった。

東北新幹線で大きな川を渡るとき、土手の道に人が散歩したりジョギングをしているのが見える。彼らの中にはワイヤレスイヤホンを耳に入れて音楽をブルートゥースで聴いている人も少なからずいるんだろう。でもみんな違う曲を聴いている。

そういえば、自分が、昔のヒット曲や、ロックやジャズの誰かのアルバムのなかにひっそり埋もれているような小さな佳曲を聴いているときに、いま世界中で同時に何億人だかが音楽を聴いていたとして、この曲と同じ曲を聴いている人は、ではいるのだろうか?と考えることがある。

それが自分一人かもしれない。それって結構壮絶に悲しいな・・・と思ったことがなくはない。