雪の翌朝

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会社の最寄り駅から会社までのあいだに路面が凍結またはシャーベット状になっていて、転ばないように慎重に歩いた。誰よりも遅く。普通なら10分弱のところ20分弱掛かった。若いころ、平気の平左な感じで、すいすい歩いて、ゆっくり歩く人を追い越していたように思う。それで一度か二度は転んだかもしれないが、それでも慎重に歩くなんて、なんかかっこ悪い感じがしたものだった。夕方の帰路、もう最寄り駅までの道の雪はほとんど解けていた。

日本人のジャズピアニスト石井彰の2001年のアルバム「Voices in the Night」に、snowという単語の入ったリリカルな曲があったな、とふと思い出し、PCの音楽フォルダーを探したら、記憶通りそのアルバムのなかに「Sometime in the Snow」という曲があり、十数年ぶりくらいで再生してみた。日本語に訳すと「いつか雪の中で」。ロマンチックな感じがする。いつか、が過去の思い出なのか未来を夢見ているのかわからないが、曲を聴いていると雪の中にいるのは幸せな恋人たちではないのかと思う。

昼間の雪は雪空を背景にして見上げると空より暗く見えることがあるから、そういう雪を「灰色」とか「黒」とか言うことは間違っていない、「白」と言う方が、よほど見た目をそのまま言い当てていないことになる。それなのに、見えた通りに「灰色」とか「黒」と言った子供を叱った先生がいたとかいないとか、そんな記事だかエッセイを大昔に読んだが、あれはなんの本だったんだろう。

概ねずっと南関東に住んでいたとはいえ、三年に一回くらいは結構な雪が降る日があったとすると、もう二十回くらいはそういう日を過ごしているのに、あんまり具体的にあのときはこうだったとか・・・そういうことって覚えてないな。たぶん電車が止まってしまい何時間か動かない電車のなかで復旧を待っていた日もあったのだが。

帰路の電車のなかで聴いていたポッドキャスト番組のなかで、パーソナリティがミスチル名もなき詩の冒頭の歌詞

♪ちょっとぐらいの汚れ物ならば 残さずに全部食べてやる♪を繰り返して言っていた。

帰宅してこの曲の歌詞をはじめてちゃんと読んでみる。

♪愛情ってゆう形のないもの 伝えるのはいつも困難だね だからdarling この「名もなき詩」を いつまでも君に捧ぐ♪

今日は私の誕生日でした。

 

Voices in the night

Voices in the night

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