冬越え

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テレワーク。17:30に一旦終了して、近所の散歩。もうすっかり夜と思った時刻が18:00だった。夏なら、まだまだ陽がある時刻だ。近所は、多分、農地だったところに徐々に住宅地が増えて行ったのだろう。住宅が立ち並んだ道を歩き、例えば突き当たりを右に曲がると、急に住宅地が途切れて、畑地が広がり、そこには昔からの農家があり、開け放しの門の先には乗用車とトラクターと軽トラが停まっていて、トタンで出来た納屋や道具置き場があり、その先に母屋の玄関があって、すぐ横には犬小屋がある、そんな感じ。そしてまたその先から住宅地に戻ることもあれば、こんどは栗とか梅の木が並んで植えられている果樹畑が現れる。もちろん駐車場や小さな公園やアパートも現れる。一色で出来た町ではなく、ごちゃごちゃと多色が塗り重ねられていて、多色が使われているからといって美しいということではなく混沌としている。なんか、空には群青が残っているけれどほとんど夜という暗さ(街灯も少なくてけっこう暗い)に覆われ、そういう混沌とした「近所」を歩いて行くのには息を潜めて潜航している感じがする。隠れる必要はないけれど、目立たず、誰かの記憶に残りたくない。そんな感じ。採血をする注射が刺され、血が抜かれているときに注射器と針と針が刺さった腕を見ず、そっぽを、その採血をされる部屋の窓やカーテンや棚を見ている。そういう感じでかすめて歩いている。なんだ、結局逃げ腰で歩いているってことなのかな。

ブロック塀は地震が来たら崩れ落ちて、その横をもし歩いていたら危険だ。広く空が見渡せる場所だってある。予想通りオリオン座が輝いているのを見つけた。この冬に初めて見上げたオリオン座だ。

寒い冬にいるけれど、冬は早く過ぎろと思う。一方、もし夏であれば、いつまでも夏はここにあって欲しいと思う。そういう大きな違い。