大船フラワーセンターのヤマアジサイ

 とある書店の漫画コーナーで表紙を表にして置かれていた高妍という台湾の方の「緑の歌」という上下2巻の漫画を買った。今朝も5時前に目覚めたのでベッドの上に折り畳みの座椅子を置き、そこに座って読み始めた。途中、昨晩駅ビルの惣菜売場で買って食べきれなかったレバーフライ二切れを電子レンジで温めて少なめの白飯一杯の上に載せ、辛子をたっぷり塗って朝飯にしたり、季語の南風(みなみかぜ みなみ はえ なんぷう)をお題にしたNHKの俳句番組を見たりしながら読み進み、上を読み終わった、その後で唐招提寺御影堂を取り上げた日曜美術館を見ました。  

 漫画を買うことは滅多にない。買っても本に例えると詩集のような短編作品が多い(カシワイという方の本は2冊か3冊買いました)。なのでこんなふうにたかだか2巻だけど物語のちゃんとある漫画を読むのは、借りて読んだ「この世界の片隅に」以来じゃないかな。

 下はまだ読んでない。大船フラワーセンターに花の写真でも撮りに行こうと思い立つ。ずっと家にいると全く運動しないで1日が終わってしまう。若い頃はそんな日があっても気にもしなかったが、いまは身体を動かすことに意識的になっている。それでも昨年入院手術のあとに、リハビリもあって必ず毎日ウォーキングを科していた、あの頃よりは不健康な気がする。

 なのでまだ下の巻は読んでいないが、以下ネタバレ含みます、主人公の女の子がはっぴいえんどの 風をあつめて を台北で知り、そこから70年代の日本の音楽に惹かれて東京へ一人旅をする。新宿のディスクユニオンで旅の目的のはっぴいえんどの 風街ろまん を手に入れるのだが、そこで店内に流れている 恋は桃色 を耳にして、その曲に魅了されて、恥ずかしがり屋を返上して英語で店員にこの曲は?と質問をする。そこから 恋は桃色 を歌っているのが、はっぴいえんどで 風をあつめて を歌っている細野晴臣であることを知って………と、台北の現在の若者が細野晴臣に魅了されていく物語が展開していく。

 本や映画で感動して目が潤むとか泣いてしまうのは、感情移入した主人公に悲劇が起きたり努力が実ったり、そういうときに一緒に悲しんだり喜んだりするときに起きる。歳取ると発生確率、増えるんですけどね。ところが最近そうではなく、ただの出来事、場面、でも急にうるっとすることがあって、自分でも、なんで?と驚くことになる。この主人公がディスクユニオンでアルバム「HOSONO HOUSE」収録の 恋は桃色 に魅了されて、その曲名とアーティストを知ろうと頑張る場面で、突然それが起きた。それは私がこのアルバムもこの曲も好きで、むかしからよく聴いてきていて、すなわちオッサンの推し曲であり、それが漫画で描かれる物語の中とはいえ、若い誰かが魅了されていくことが嬉しい、という類の、すなわち嬉し涙なんだろう。

 このアルバムには 終わりの季節 という曲が収録されている。6時発の貨物列車がガタゴト音をたて、上ったばかりの朝日が窓から差し込む。聴いていると、その情景が浮かぶのが好きだ。村上春樹の 風の歌を聴け で、小指のない女の子が酔って(だっけ?)僕の部屋に泊まる、その部屋から見える風景が神戸の港だった?読み直していないからまたもや捏造された適当な記憶かもしれないけど、その部屋と窓からの風景もイメージが浮かぶ、それも好きだ。

 アマゾンのレビューを読むと下巻は涙なしには読めないとか書いてあるので、読むのが怖いな(笑)

 大船フラワーセンターは空いてました。薔薇の季節も過ぎ、芍薬がたくさんたくさんある一角もいまはただ緑一色で花はもうない。紫陽花もあるけれど、株がたくさんというわけでもない。ところがその芍薬園の奥のちょっと紫陽花のある近くに、関東、中部、四国、九州、等々の地方別に「ヤマアジサイ」が植えられている花壇があった。せいぜい50cmくらいの高さの低木が多かった。ちょっと調べるとサワアジサイとも呼ぶらしく、山や沢に自生している自然種ということなのだろうか。

 ほかにもユリとか菖蒲や、残っていた薔薇の写真も撮りましたが、今日のところはヤマアジサイを載せておきます。

 

 

 

HOSONO HOUSE

HOSONO HOUSE

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