西風が吹くI Love Youの日

  十年くらい前には写真用の135フォーマット(一番普通のやつ)の36枚撮りフイルムは安価なものを探せば300円くらいで買えたと思う。一年か二年前にたまにはフイルムカメラを使ってみようと思って調べたら一本1000円以上になっていて、うへぇ高いなあ!とびっくりしてしまい、結局買わなかった。先日たまたま立ち寄った都内のライカショップでM11のシャッターを押してみたら指に来る感触が懐かしい感じ、メカニズムが動いた感じがした。そんなこともあって、防湿庫にあるフイルムカメラからライツミノルタCLを出してきて、空シャッターを切ったりした。防湿庫の中にあり、ずっと使っていなくて、ちゃんと動きそうなフイルムカメラは、ミノルタオートコードとキヤノン6LとキヤノンF1とライツミノルタCLだ。ほかにあるオリンパスXAとかコンタックスTは故障して写真を撮ることが出来ないがそれでも持っている。結局電池がなくても動くメカが主体のカメラが、今も動ける状態にある。ライツミノルタCLを触っているうちに10000円くらい出して、フイルムを10本ほど買ってみようかな・・・と思ってアマゾンで調べたら、なんとまぁ、フイルムはさらに値上がりして一本2000円くらいになっているではないか。やれやれ、だけどちゃんと空シャッターが切れるフイルムカメラを触っていると、こんなのは機械を擬人化してみてしまうセンチメンタルに過ぎないのだが、もう一回ちゃんとフイルムを詰めて写真を撮って(撮らせて)あげたいという気持ちがカメラに対して起きるのだった。とはいえ買ってないですけどね、さすがに2000円となると・・・

 夕方5時頃、茅ケ崎駅の周りを少しウォーキングをしてみた。今日は強い西風が吹いている。台風は遠くにあっても巨大だそうで、その影響の風なのかもしれない。風はたぶん海に大きな波を作ってサーファーを呼んでいることだろう。その同じ風はこうしてありふれた駅前商店街のコンビニエンスストアの前の道も抜けて行く。

 8/31は子供の頃にはもちろん夏休みの最後の日だった。そんなことからどうしても「夏の最後の一日」という感じを持ってしまう。夏に大事に抱いていた夢が、ふと再考すると下らない夢に過ぎなかったと判り、それを手放すと風にのって散って行ってしまう。8/31はそういう日に感じる。すなわち「現実に引き戻される日」だな、悲観的には。だけど西風は強くて、強い風は素敵だった。楽観的に「夢を持ち続ける日」「現実に引き戻されない日」「夢をあきらめない日」にしたらいいよ、とも思う。あいかわらず西からの日差しはちゃんと強くて、それが悪くない。

 夜、今日は何の日かを調べたら、案の定語呂合わせで野菜の日と出てきたが、もうひとつI Love Youの日だそうだ。アルファベット八つで三つの単語を使い、意味は「愛している」の一つ、そこから831でそうなったらしいです。誰か「闇市の日」とか言い出すと面白のだけれど。