早朝の散歩

 朝、5時20分頃、ベッドに横になったままでも手が届く北側の窓の濃い青いカーテンを引っ張って開けると、北の空もうっすらとオレンジ色に染まっていたから、きっと今まさに東の空は朝焼けているのだろうと思う。そこで、慌てて起き上がり、カメラを持って外に出ると、マンションの東側が見渡せる階段を6階まで登ってみた。東の空は焼けていたが、劇的という訳ではなかった。そのまま少しだけ歩くことにして、いざ歩き始めたら、結局一時間以上になった。朝晩はずいぶん涼しくなったが、日が昇った途端に気温は急上昇していく。実際、散歩も終わり、ちょっと用事があり隣の平塚市にある妹の家まで自家用車で往復してきた昼前後に、自家用車が示している屋外の気温は31℃になっていた。川沿いの道を歩くと、彼岸花がたくさん咲いていて、ほぼ終わりかけだ。歩いている人は、みな私よりご年配で、とくに女性の方からはすれ違うときに「おはようございます」とご挨拶をいただく。茅ケ崎市は高速道路が増えた。圏央道に乗ってぐるりと走って行けば、東名、中央、関越、東北、と各高速自動車道路へつながる(それでちょっとだけ不動産価格が上昇したという話も聞いた)。この川沿いの道からは、こうして高速道路が見えるようになった。急に気温が上がり始めて、薄く霧が漂っていた。歩いていたら、家庭菜園利用者募集の看板を見つけた。一年で6000円だと書いてあった。そういうの借りて、野菜やら育てるのって、いいかもなあ・・・と夢想するが、その大変さはなにも知らないから気ままな妄想だ。電線には鳩と椋鳥がたくさん止まっている。下を通る人間の頭のなかのことなどどうでもいいのだろう。ハコベナズナやほかの雑草も、畑に植えられた里芋の葉にも、朝露が付いている。それを掌でなぞって水滴を集めてみたら思いのほかひんやりとして清澄な感じだ。途中でTシャツの上に着ていたサマーカーディガンを脱いで手に持った。