明日はコートを

 今日は11月の、それも下旬の平均と同じような気温の10月にしてはとても寒い日で、朝から雨が降り続く暗い日だった。在宅勤務にしたので、すぐ近所のコンビニエンスストアに一回行ったっきりで、ずっと自室にいた。会議は六個くらい。テレワークという業務形態が選択可能になって二年半くらいたち、当初は自宅のPCを会社PCに変身させるやり方だったが、小型のノートPCが配布されてから、通信が不安定になったり切れることも、無くなったわけではないけれど、ずいぶん減った。朝の7時から業務を開始して、夕方の17:30頃に終了した。そんな木曜日だったから、写真は一枚も撮っていない。昼休みに始まったばかりのNHKの連ドラをまとめてちゃちゃっと早送りで見て、たまにトイレに立ったときにばかりピンポンと鳴って宅急便が来るから慌てた。年内に大腸内視鏡検診をしておこうと思い、病院に電話して予約した。デジタル写真を保存しているHDDは最初に買ったものが、たぶん0.5Tの容量でもう十五年くらいは経つだろうか。それ以前はCDのちDVDに保存していた。HDDが壊れてもデータが消失しないように同じデータを2台に保存しつつ、十五年のうちに5台に増えていたが、それも使い切りそうなので、いまや4Tで1万円以下の6台目をアマゾンで購入した。今日の写真はまた古い写真を見直す「旅」から持ち帰った。京都の煮込みの店Sのカウンター席に一人座り、頼んだ「ひろうす」だ。Sには一人でも二人でももう少し大勢でも行ったことがある。一人で行ったのはこの日だけ、昨年の秋。ネットで調べると、一番上に出てきたレシピのページに、『「ひろうす」とは、がんもどきの京都での呼び名で、漢字は「飛龍頭」と書きます。』と書かれていた。でも京都の人に言わせれば「がんもどきとは、ひろうすの東京の呼び名です」となるのだろう。

 写真を見直していると、秋になると食べたものの記録写真が多い気がするから「食欲の秋」という言葉も、本当のことかもしれない。その理由は夏バテで疲れた身体に元気を取り戻すからとか、環境が穏やかで暑くも寒くもなく食欲が沸くとか、収穫の秋であり美味しい食材がたくさん増えるとか、そういう理由があるのかしら?これは調べてないですが。だけど実際のところは、秋になると日が短くなり、暗くなると人恋しくなり、レストランや居酒屋の店の灯りが外に漏れているのを見ると、そこに入って淋しさを紛らわしたくなる、誰かと話したくなる。寒くて暗い部屋に帰るのは遅くしたい。そういう気分があるんじゃないのかな。

 あしたは薄手とは言え、コートを着て行こう。