犬を飼ったことがないけれど

 いつものように朝5時前に起き、自家用車で都内まで出勤。夕方、早目に帰宅する。今日は写真を撮らず、いや、一枚か二枚、環状八号線で正面の雲が朝焼けで燃えたから、赤信号で停められたときに撮ったのだった。しかしたいした写真は写っていない。夜、こうしてまた、むかし撮って、使うこともなくただHDDに入っているだけの写真を見直す。同じ11月ということを取っ掛かりにして。2012年の11月文化の日、葉山の美術館近くの磯に行った写真に上の写真を見つけた。画面下半分はもっと暗かったから、フォトショで少し持ち上げた。なんだか寒そうな日だ。別の駒にはたくさんの鳥が海の上を集まって旋回してる写真があった。集まってこれから海を群れで渡って行く鳥の柱だろうか。ここ数日暖かくて穏やかな日が続いているから、同じ11月の十年前の写真を見ることで本当の11月の寒さを見つけた気がする。

 犬を飼ったことがない。子供の頃に住んでいた父が勤めていた総合病院の社宅、木造平屋の二軒長屋の隣のWさんの家に、白いコリー?がいた。名前はマリ。よく吠える犬で、私はマリが怖くていつもおよび腰だった。および腰なのにマリとお手をして頭を撫でている写真があったと思う。もしかするとこのブログの過去記事にその写真を載せているかもしれない。父が撮ったモノクロのフイルム写真だ。

 この写真の飼い主の男と二頭の犬を見ると、男と犬のあいだの・・・信頼関係なんていうと安易すぎるな、多分・・・言葉が見つからないけれど、写真を見ているだけでなんだか憧れてしまうような関係が見える気がする。このあと冬が来て、北風が吹いて、海が荒れて、寒気が来ても、たぶん大丈夫。そういう感じ。