きめ細かい作業を正確に積み重ねていくことが苦手

 一週間前に京都旅行から戻り、この一週間、ほとんど写真を撮っていないので、またHDDに過去の年の11月に撮った写真を見に行った。これは昨年、2021年の写真。薄曇りの日、三浦半島の長者が崎から撮った写真。もう少し人が多い方が楽しそう、あるいはもっと陽の光があれば晴れやかな気分が蘇る。などとこれじゃない光景を見たくなるのが、秋深まる薄曇りの一日そのものかもしれない。

 たまたま、いまこれを書いているPC机のモニターのすぐ横にArctic MonkeysのTRANDURITY BASE HOTEL + CasinoのCDが置いてあり、ジャケット写真はメンバーが構想した「月面に建てられるホテル+カジノ」という建物案のペーパークラフト模型、いや、正しくはそのホテルのロビーに飾られるその建物の縮尺模型という想定だそうだ(ネット検索でちゃちゃっと調べた結果でした・・・)。

 ジャケット写真を見ていて思い出したこと。

 小学校の六年になると、クラブ活動のどれかに入部する決まりにがあった。運動部は身体が小さい自分にはどれも難しそうだし、そもそも運動部でなにかひとつのスポーツをやりたいとは思えない、かといって文化部でなかなか入りたいクラブが見つからない。そこでふと思い出したのは、募集しているクラブ一覧にはないのだが、たしか昨年までは「地理模型部」というのがあったじゃないか、あのクラブはどうしてないんだろう、ということだった。そこで担任のK先生に申し出たところ、毎年入部者数が少ないから今年はなしにしてみたけれど、数人希望者がいるのなら復活してもいい、ということだった。それで三人か四人、同じような「なるべく楽したい、クラブ活動めんどくさい」派を集めて、地理模型部が復活した。例えば富士山が3776mこれを例えば高さ方向3.776cm=0.03776mの模型にしようとすると縮尺は10万分の一。3.776cmを厚さ1.5mm=0.15cmの紙を重ねて作ると仮定すると3.776/0.15=25となるから、25枚の標高差151m(3776/25=151)の等高線の描く平面を切り出して順に重ねてセメダインで貼って行くことになる。こういう模型が売られていた。いまもペーパークラフト商品としてたぶんあるんじゃないかな、どうだろう。それを学校を通して買ってもらい(いくつか売られている地形図の場所があって、選んで買ったと思います)作った。これがやってみるときめ細かい作業で、はさみで切りぬくときの正確さ、そのエッジがきれいであること、セメダインが全面に塗られて隙間なくぴったり貼られること、セメダインがはみ出さないこと・・・等々により完成品の美しさに大きな差が生まれた。正直言って、私は模型作りが三人か四人のなかで結果からすると一番下手くそだった。途中でぴったり貼られる紙と紙のあいだが浮いてしまった箇所が出来て、そこに楊枝やら細いもので接着剤を隙間に入れてから、重しをしても、結局そこからまた剥がれてしまう。何度もやっていると接着剤が流れ出てくる・・・自分の選んだ場所はまさに富士山だった気がします。(調べたら山岳立体模型キットという名前でいまも売られていました)

 子供心にも、あぁこういう正確性と確実性とミスのない積み重ねの細かい作業って、私には向かないんだろうな、とわかった気になった。そういえば今日、近所の「星景等のタイムラプス撮影」を趣味としている知人と話す機会があったけれど、私はああいうきめ細かい準備を確実に行い、編集もまた膨大な時間を掛けて積み上げていく、そういう作品作りは出来ないなと思った。だからね、小学生のときから知ってました、そういうの向かない。。。

 マイナーなクラブでしたね、全員がおとなしい男の子で、そしてせいぜい二つくらいの模型を作ってそれでクラブ活動も終了したと思います。その後、中学では吹奏楽部、高校では写真部、という経歴でした。