海へ降りる階段

 写真は昨日、七里ヶ浜駐車場から砂浜に降りる階段を撮ったものです。

 1980年頃だろうか、この駐車場のこの砂浜はもう少し波打ち際までのあいだが広くて、見上げると、海を見渡せる駐車場の周縁の一段高いところや、この階段の上の方に座ってもうすぐ沈む夕日を眺めている人が見えた。そんな光景を写真を撮ったことがあった。ライツミノルタCLにポジフイルムを入れていた。画面の真ん中より少し下に駐車場周縁部に座っている二人の人、といっても二人連れではなく、少し距離を置いて座った、それぞれが一人で来ている二人を写した。たしか一人が女性でピンクのコートを着ていたように思う(いまその写真を見返せばいいんだけど、そのマウントされたポジ写真が収められていると思われるフォルダーが本棚のいちばん上の方にあって手が届かないから面倒臭い)。写真を趣味にしている人には、それぞれの撮った写真のなかで、自分としてとても気に入っていたり、写真としては別段たいしたことなくても、とても大事な写真があるんじゃないか。私が撮ったこの砂浜から見上げた駐車場に座っている夕日を眺めている二人の写真は、私にとってはそんな一枚だったのだろう。その写真を撮ることができたから、自分のなかで七里ヶ浜の駐車場が「定番撮影スポット」になったと思う。

 砂浜がどんどん減っている。駐車場から海に降りる階段は二か所あるが、この階段は使われているが、もう一つの階段は閉鎖されてしまった、いつでも海の波が駐車場まで届いているからだと思う。