床屋に行った日曜日

 駅近くの路地にある牛肉店。夕刻の買い物の時刻。牛肉コロッケを買う人がいれば、今晩はすき焼きだぞ!という方もいるかもしれない。

 この写真を撮るまえに、今日は床屋へ行きました。おじさんがたくさん集まって来る、2000円以下で散髪と髭剃りと洗髪をやってくれる床屋。30年以上、髪を切るのはその店に決めている。店にはカードがあり、一回散髪に行くとひとつスタンプが押される。雨の日はふたつ押してくれる。10個溜まると割引がある。そのカードには男の正面顔と横顔の線画が描かれていて、そこに鉛筆で私の髪型に関するメモが書き込まれている。「耳出し」は横の髪の長さについてのメモ。「マユ上」は前髪。もみあげは「B」とあるがこれは線画の方にもみあげの長さの目安の線がA(長い)B(普通)C(刈り込み)で引かれているから、普通を現す「B」だ。それから右分けか左分けかの分け目位置に線が引かれている。わからないのは「ハナ毛」と書き込まれていること。このカードを作るときに「鼻毛を切ってよいか?」と聞かれただろうか?それで「お願いします」と答えたのだろうか?普通は「鼻毛」を切ることは標準外なのだが、この客は切って欲しいそうだから、とメモに書かれたのかな?

 さて、今日はこのカードを持っていくのを忘れてしまった。この店には五人くらいの理髪師がいて、客は番号札を取り、前の客の散髪が終わるとその理髪師に××番の方どうぞ、と呼ばれる。だからどの理髪師が自分の担当になるかはわからない。私は86番で、呼ばれて椅子に座り、カードがないから口頭で希望を伝える。「前髪は眉毛くらい、横は耳が出るくらい、後ろはカットで、右から分けて、分け目はきっちり付けて」(要するに典型的おじさんカット)。理髪師は髪を切り始める前に髪を湿らせて櫛を入れて、全体の状況を把握してどのくらい切るかを見極めている。それから困ったような顔をして小さな声でこう言った。「(前髪は)いまちょうど眉毛くらいなんですけど・・・」と。そうか・・・指摘されて、そうだと知る。「ではもっと短くて良いです。これでひと月半ほど経ってますから」私はそう答えた。そのあとはもう任せっきり。途中散髪が終わったところと、洗髪や髭剃りが終わりドライヤーもして髪をとかした「最終仕上げ時点」で鏡に後頭部を写して、問題ないか?と確認されるが、そのたびに外している眼鏡を掛けるのが面倒だから、よく見えないままに「はい、これで良いです」と答えてしまう。だいたい20-25分くらいで終わる。

 だから刈ったばかりの髪で、襟足が少しスースーする髪形で、上の写真を撮りました。今日はよく晴れた気持ちの良い日曜日だった。