打ちのめされ、救われる

 午前10時まで在宅勤務で三つの会議に出席したのち、休暇を取得し、横須賀美術館へ。清宮質文の世界展を主目的に。

特集:清宮質文の世界 | 展覧会 | 横須賀美術館 (yokosuka-moa.jp)

 雨男というのは確率の問題で、たまたま必然的に発生するある確率の偶然で休日(遊びに行くときや旅行に行くときに)にばかり雨が降るついていない人のことを言うのだろうけれど、自分自身がどうやらその傾向が強いと気が付くと、まるで呪われているかのように雨ばかりで不思議に思う。昨日の夜まで、今日は午前は晴れの予報だったのに、曇り空がずっと上空を覆っている。しかも海を眺めると、南も東も西も、水平線の上には雲がない。自分の上空だけが低く雲が垂れ込め、しかもよりによって屋上に出て東京湾の写真を撮り始めた、そのときだけ雨さえ降り始めた。上の上の写真は横須賀美術館から東京湾を挟んだ向こう側に見えるスカイツリーを望遠レンズで撮ったありふれた写真だけれど、スカイツリーのあたりは晴れているように見える。上の下の写真は右側に東京湾の第一海堡が写っているがそのあたりは暗いものの、向こうの空は青空だ。やれやれ・・・

 清宮質文の版画作品は淋しく暗いが、絶望だけのように見えて、作品のどこかに光を閉じ込めたみちしるべのようなものが描かれ、それを頼りになんとか見続けられる。これが戦争のあとの、環境破壊のあとの、未来の世界だと空想すると、なんと淋しき世界なのか・・・。作品に打ちのめされそうになり、作品に救われる、という二重の感触。