この夏はひどく暑くなるんだって

 一年前の同じ季節、同じように美しい緑。季節は巡りますね、今を生きていると、他の季節のことをあまり思い出せなくなる。だけどさすがにこれから来る真夏の暑さのことは警戒してしまいます。

 予報によると今年の夏はひどく暑いらしい。ここ数年ずっと、ひどく暑い。わたしの場合、比較となる夏の基準はわたしが子供の頃の夏で、その頃の夏は、いちばん暑い日が数回の最高気温33℃の日、普通の夏の日は31から32℃で、そんな中、汗をびっしょりとかきながら、友だちと、虫取りに走り回ったり、市営プールまで自転車で往復したり、夜になると食後にふたたび集まって花火をして…とそんなのが基準で考えてしまう。午前の早いうちに勉強をしてしまう。ラジオ体操に集まる。豆腐屋のラッパの音がする。そう言う午前はまだまだ涼しかった。南関東の話ですよ。

 どの世代の方も、振り返って比較する基準を置くとき、子供の頃か、せいぜい二十歳までの日々なんじゃないかな?わたしの場合は、そこは50年も60年も前で、その頃を基準にすると、ここ数年か十数年か、夏はずーっとひどく暑い。たまたま故あって覚えている1988年の夏は、そのときはもうわたしは子供ではなかったけれど、寒いじめじめした夏だったと思います。ずーっと毎年、この基準より暑いのは、2010年を過ぎてからかなぁ。

 という感じなので、今年は特に暑くなる、と言われても、この上さらに特に暑い日々というのはどうなるんだろう?もう想像の外にある感じです。7月と8月は外に出ない方がいいんじゃないか?と思ってしまいます。だからこの5月、ぎりぎりで6月を楽しみたいものです。

 そんな超猛暑の夏が本当に来るとして、ではどう過ごそうか、夜になってからどう過ごすのか、を考えるべきなんだろうか。たとえば、夜遅くジャズ喫茶に行き、ビールかコーヒー飲みながら、くたびれた文庫本で好きな短編を再読しつつ、60年70年前に録音されたジャズのレコードの、即興のサックスの息遣いや、ギターの指が滑る音に耳を澄ませる。そこに、もう年老いたり亡くなってしまったミュージシャンが、その録音された過去の日には、生きていたことを聞き取る……と言うか、受け取る感じで。こう考えると夏の夜も悪くないかな……

 とか思うのが、これがまた、ほかの季節のことを忘れて夢見てる証拠で…だから更に暑くなるんだってば!夜もずっと暑いんだってば!