昨日の横浜に引き続き、Tイトウさんと松本へ行ってみる


 四月の二十七日の水曜日になって、連休中に一泊か二泊でどこかへ行きたいなと考え、候補として、(一応は民芸の器の本を参考にして)金沢や大分や鳥取や京都や松本なんかを挙げた。二十九日にはニセアカシア編集会議があるために、そこを避けると三十日の土曜日から五月一日の日曜日までの小旅行ということが現実的だった。(ところで小旅行というのは、長旅と、短い方は日帰り旅行の中間のことを言うのか?距離と時間から定義されるのか?なんか流行語っぽくて気持ち悪い・・・のにこうして使ってしまっている・・・)そこで、距離的には比較的に近い松本に行こうと決めた。天気は土曜日は晴れるが日曜日は雨になりそうだった。決めたのが二十八日で、その夜になって、ネットでホテルを予約したり、観光情報を調べた。
 松本に最後に行ったのは二十五年くらい前のことで、だけどそんなに時間が経っている感じがしない。ついこのまえ行ったような感じのまま二十五年も経っている。ついこのまえみたいな気がする割には、どこへ行ったのか?何を食べたのか?確かにほとんど忘れているから「昔」のことなのだ。イタリアンのレストランで、当時は珍しかった野菜を初めて食べたことを覚えているのだが、それがズッキーニだったのかアーティチョークだったのかが不明である。
 二十九日にT・イトウさんに、明日から松本に行くのだ、と話したら、彼も同行することを検討したいとの返事だった。同時にもう六、七年のあいだに、お互いのブログを読んではときどきコメントを書いたりしている松本市近郊にお住まいのハンドルネームlove-zeroさんにもメールで行くことをお知らせした。
 出発の日の三十日の朝に、T・イトウさんも同行することが決定し、さらにはlove-zeroさんはご一家で松本駅まで迎えに来て下さるという。持つべきものは友人なり。

 一夜漬け的な調査ではあるが、松本市では毎年、ゴールデンウィークからスタートして五月末のクラフトフェアまでの期間を「工芸の五月」として、例えば市内の美術館やギャラリーなどを使って、いろんな展示会やイベントが開かれるという。二十九日に横浜を歩いた日にイトウさんの知り合いの若い二人組「L PACK」がやっている竜宮美術旅館に寄ったら店はクローズで、貼紙がしてあり「松本へ「工芸の五月」のイベントのために出かける」と書かれていた。
 L PACKの二人組が参加するのは池上喫水社によるイベント。池上邸というお宅の古い蔵を使って、ガラス作家田中恭子の作った道具で、L PACKの二人が水出しコーヒーを作るというイベントだそうで、そこに松本市内の七箇所だかから採取した湧き水を使うらしい。イトウさんにしてみれば、私から松本行きを持ちかけられたのと同時に友人のL PACKがその松本に行っているという情報も入り、その偶然には何か深いお導きがあると思った・・・のかどうかは知らないが、一緒に行くことになったのだ。
 更に偶然を挙げるとすれば、二十九日に横浜の黄金町アートブックバザールに立ち寄った際に、そこに工芸の五月の36ページからなる立派なテイクフリーの案内書を発見し、残部数3のところを私とイトウさんで一冊づつもらってきたということもあった。

 その工芸の五月では、旅行社みずのさんぽによる市内の湧水スポット等の水めぐり、やら、フランス人画家ロベール・クートラス展やら、そのほかにも吹きガラス作家の方の展示や、もちろん陶芸家の展示、等々のイベントが組まれている。

 というような経緯で三十日。相模線、横浜線、八王子から中央本線スーパーあづさ号と乗り継ぎ10:40くらいに松本着。西口アルプス口で初対面のlove-zeroさんご一家とお会いする。
・・・と、このペースで旅行の作文を書いていたらキリがないですね・・・
というわけでメモ程度に

昼食はlove-zeroさんご一家の案内により、おきな堂でバンカラカレーを食べる
⇒その後、ナワテ通りあたりを散歩
⇒love-zeroさんの車で松本民芸館に送っていただく。入り口でlove-zeroさんご一家と別れる 
⇒着いたら雨が降り始める、遠雷も聞えるなか、民芸館を見学
⇒天気雨の中、民芸館の庭を写真に撮る(例えば上の写真)
⇒タクシーで松本城
松本城は見学待ちの行列だったが、雨を避けるためもありテントの下のその列に並ぶ
⇒雨は降ったりやんだり
⇒40分待って、やっと城内に入れてもらうが、そこから先もゆるゆる進む列に加わって、ゆるゆると進むしかない
⇒五階から六階へ上がる階段がきわめて急峻で、階段の幅も狭い。これが全ての渋滞の原因だった。六階は風が吹きぬけて寒いくらい。快晴なら四方に見えるであろう山々は何も見えないが、どうやら雨はやんだらしい
⇒列に並んだときから松本城をあとにするまで二時間以上を要す
⇒徒歩でギャラリーカフェLABORATORIOへ。ロベール・クートラス展を見学。カフェでコーヒー
⇒徒歩でホテルへ。予約していたホテル・モルシャンと間違えてホテル・モンテールに行ってしまい、チェックインカウンターでミスに気付く。二つのホテルが比較的近くて助かった。
⇒夕食はホテルにあったグルメガイドに乗っていた郷土料理+居酒屋の和利館というところへ行ってみる。山菜天婦羅が上手い。でも何を食べているか確証がない。ふきのとうは判ったが、あとは何だったのか?馬刺しや信州蕎麦。
⇒夜景の街撮りをしつつ市内を歩いていく。いつしか下の写真のような昭和風の店が並ぶナワテ横丁に行き着く。これも嗅覚か。嬉々として写真を撮る。
⇒ジャズ喫茶&バー「エオンタ」。ここでまた写真展のことやら写真集のことやらを延々と話す。途中コルトレーンのLPがかかる。それ以外はCDで、知らないアーティストばかりのようだった。ヤコブ・フィッシャーというギタリストのアルバムとかだった。カウンターには大学生くらいの男性、左右両側にきれいな(これも大学生くらいの、同級生かな?)女性二人を連れている。私にはなかったことです。
⇒ホテルまで徒歩で帰る。途中川の流れの音を聞きながら、イトウさんはジャズなんかよりせせらぎの音の方がずっといいなあ!とおっしゃる。この川沿いのマンションに住みたいなあ!ともおっしゃる。いつもの妄想癖。


ギャラリーLABORATORIOのあるビルは古い薬屋の建物らしく1階には当時の?ガラスのショーケースがあって、中に例えばこんなブリキの車が置かれていた。





オエンタで食べた、茹でたソラマメにチーズのつまみ。

Over the Rainbow

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